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SDGsへの姿勢、転職で「重視」65% 関連求人の動向は

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 6月に入り、2023年春に卒業する大学生の採用選考が解禁され、就活が佳境を迎えている。新卒採用のために設けられた大手各社のホームページをみると、社会課題への関心が高いとされる「Z世代」の就活生を意識するように、自社のSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みを紹介している例が少なくない。ただし、企業のSDGsへの姿勢や取り組みを意識するのは、若年層に限らないようだ。転職先探しと企業のSDGsへの取り組みなどについて3000人規模の意識調査を実施した、人材サービス大手、エン・ジャパンの河合恩常務に調査結果やSDGs求人の動向を聞いた。

 

◇     ◇     ◇

 ――まずは、転職先探しと企業のSDGsへの取り組みなどについて、初めて意識調査を実施した背景を教えてください。

 河合氏(以下、敬称略) 当社は2022年4月、それまでの会長・社長による二代表制から(社長のみが代表権を持つ)一代表制に移行した。そのタイミングで、もともと掲げていた企業理念をベースに「誰かのため、社会のために懸命になる人を増やし、世界をよくする」というパーパスを制定した。

 当社は求人・求職のマッチングサービスを提供しており、事業としてSDGsの8番目の目標である「働きがいも経済成長も」とかかわる。パーパス制定に先立ち、その実現のための1つの行動として調査を実施し、3月には期間限定で3つの求人情報サイトでSDGs求人特集を掲載した。

 50代以上、企業の「あるべき像」を意識

 ――図1で調査結果をみると、全体の65%が転職先選びで企業のSDGsに対する姿勢や取り組みを「重視」(「重視する」と「どちらかというと重視する」の合計、以下同)と答えています。年代別では50代以上の71%が最多で、Z世代に相当する20代以下(60%)を10ポイント以上上回りました。この結果をどうみますか。

 河合 本調査に限らず、様々な調査で50代以上は「社会貢献をしたい」との意識が高く出る傾向がみられる。その理由は様々な要因があるだろう。ことSDGsに関していえば、年代的にも自身の仕事に意識が向きがちな若い層より、もう少し広い視野で企業はどうあるべきかを考えたり、ニュースなどで情報を得たりしていることが一因ではないかと思う。

 そうした背景もあり、50代以上の層はどちらかというと「べき論」として企業のSDGsに対する取り組みなどを重視しているようだ。自分自身がそうした仕事を直接、やりたいかというと、そうでもないことが別の設問への回答からうかがえる。

 図2をみていただきたい。図1の設問で「重視」と答えた層に、その理由(複数回答)を尋ねたところ、50代以上は「企業も持続可能な社会の実現へ取り組むべきだから」が62%で最も高く、この項目では全体結果(57%)を5ポイント上回った。だが、「自身がSDGsに取り組みたいから」は25%。わずかながら、全体結果(28%)を下回り、この項目では20代以下が35%で最多となった。別の言い方をすれば、50代以上で「べき論」がくっきり出たことも含め、本調査には比較的正直な回答が寄せられたように思う。

 「男性最適化」ではない就労環境に

 ――図2をみますと、働き盛りの30~40代は「社員のはたらく環境にも影響がありそうだから」を挙げた割合の高さが目立ちます。優秀な人材の確保にあたり、「はたらく環境」として、企業はどんなことを意識するとよいですか。

 河合 人口の半分は女性が占める。女性は出産などライフイベントの影響を受けやすいだけに、女性にとって働きやすい職場は男性にとっても働きやすい環境になるといえよう。

 新卒も含め「優秀な人材」の確保をターゲットとして考えているような企業群では、働き方に問題があるような例はほぼなくなった。コロナ禍による在宅勤務の普及もあり、柔軟な働き方を取り入れる動きが一気に進んだからだ。スタートアップの中には、最初から「男性最適化」ではない就労環境を提供する企業も増えている。

 かたや伝統ある中小企業では「テレワークができない」など、固定化した働き方がまだみられる。それだと、優秀な人材の採用はやはり難しくなってしまう。働き方改革に取り組んでいる企業も多いが、一方で、「就労時間で評価」ということが残っていると好ましくない。働き方と合わせて、多様な人材が活躍しやすい考課の仕組みなどを整えることが大切だ。

【調査概要】
■調査方法:インターネットによるアンケート
■調査対象:エン・ジャパンが運営する求人情報サイト「エン転職」「AMBI」「ミドルの転職」を利用するユーザー
■有効回答数: 3,158名
■調査期間: 2022年2月7日~2月16日

 

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