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22年の株主総会、集中日のオンライン中継途絶にご注意 松本裕之弁護士に聞く

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 「アクハラ」は認識遅れ

 ――東芝の新任取締役候補に2人が入るなど、今年もアクティビストの動きが目立ちます。アクティビストをかつてのハゲタカファンドのような投資家と同様に捉えるのは認識遅れと指摘していますね。

 「アクティビストという言葉の定義によるのかもしれませんが、企業価値を毀損してでも、目先の利益を目指すアクティビストばかりではありません。長期的に保有する株式の価値を高めるために物を言う株主も増えています。全て(の物言う株主)を同一視して敵視することを『アクハラ(アクティビストハラスメント)』と私は呼んでいます」

 「最近ではアクティビストの意見を取り入れて経営する企業も増えています。アクティビストから回答困難な質問を受ける状況自体に、何らかの欠点があるという経営側の認識です。総会当日の突然の質問ならば『来年の総会までに対処します』との回答で仕方がないかもしれません。ただ、このような場合の質問は、むしろ株主総会後に本当に誠実に検討・対処し、社内改革で翌年には難しい課題ではないようにしようという企業意識が広まってきています」

 ――独立社外取締役(社外取締役)の選任も今年のテーマです。セブン&アイ・ホールディングスの株主総会では独立社外取締役を過半数にする議案が賛成多数で可決されました。

 「同社の社外取締役は15人中9人と過半数になり、外国籍比率も3割を超えました。社外取締役に対し前向きでない経営陣は、株主からの再任の賛成票が減る可能性があると考えていてください」

 ――従来の出席型に加え、ネット配信で株主総会の様子を視聴し、質問や議決権行使なども行うことができるハイブリッド型バーチャル総会などが増えています。

 「オンライン株主総会には株主の直接の反応がみえてこない、緊急動議への対応が難しいといった未整備の部分も残っています。しかし、株価を押し上げるなど企業価値を高めるチャンスのひとつと見ています。これまで株式は保有しても(経営に関心が薄く)総会に出席しなかった個人株主らに経営方針を説明することもできます」

 「ただ、気づきにくい課題もあります。あるIT企業は今年の総会を従来の出席型に戻しました。オンラインでは総会の中継が途絶するリスクを技術的に100%クリアしていないからだといいます。通信のプロであるIT企業ですらこのように考えているということは、株主総会の集中日にオンライン総会を開いた際のリスクとして十分に考慮する必要があります」

 (聞き手は松本治人)

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