フィンテックサミット2022特集

NFTビジネスの活性化、官民の連携に大きな期待 FIN/SUM2022パネルディスカッション

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 デジタルの世界ではSNS(交流サイト)などによる双方向コミュニケーションが重視されるWeb2.0から、ブロックチェーン技術を土台とする自由かつ民主的なやり取りが中心となるWeb3.0への移行が進んでいる。Web3.0のけん引役として大きな期待をかけられているのが、デジタルアートの取引などで注目を集めるNFT(非代替性トークン)だ。わが国で進むNFTの市場整備や制度設計を巡る課題や未来への展望について、FIN/SUM2022で行われた議論の内容を紹介する。

 平将明氏(衆院議員 自由民主党 NFT政策検討PT座長) 

 「Web3.0時代においては、NFTやDeFi(分散型金融)、DAO(自律分散型組織)など、革新的な技術やアイデアが当たり前に使われるようになるでしょう。日本のアニメなどのコンテンツは、評価を得ている割に価格が安いという課題があります。こうしたコンテンツをNFT化してグローバルのファンに提供することで価値の最大化が期待できます」

 「日本もNFTを巡る環境整備が急速に進む世界的潮流に遅れるわけにはいきません。私はNFTビジネスの推進は『新しい資本主義』の柱と位置付けるべき重要戦略だと考えています」

 「私が座長を務める自民党NFT政策検討プロジェクトチームは3月30日、『NFTホワイトペーパー(案)』を取りまとめて公表しました。このペーパーをたたき台として活発な議論を展開し、Web3.0時代にわが国が大きく成長できるよう政策アイデアを磨き上げ、政府与党としても様々な取り組みを推し進めていきます」

 椎名茂氏(EYストラテジー・アンド・コンサルティング テクノロジーコンサルティング顧問)

 「NFTをごく簡単に定義するなら、替えが効かない1点もののデジタルデータであることを保証する仕組みです。主な活用例は、デジタルアートやトレーディングカード、ゲームなどで、中には数十億の価値がつけられているNFTもあります。しかし、これらは今後のNFT市場活性化の入り口にすぎず、今後はIDカードやトレーサビリティーデータなどあらゆるデジタルデータがNFT化され、その可能性はさらに広がっていくでしょう」

 「NFTを出せば売れる時代はすでに終焉(しゅうえん)し、NFTビジネスで成功するには工夫が求められるようになりました。今後は暗号資産・仮想通貨との関連なども考慮した何らかのコミュニティー経済圏も必要かもしれません」

 「NFTビジネスは立ち上げと同時に世界とつながる領域ですから、日本独自のルールは足かせともなりえます。今後、グローバルな事業環境を意識した制度設計がなされることを期待します」

 森川夢佑斗氏(Ginco代表取締役)

 「日本のコンテンツやIP(知的財産)の価値を将来にわたって高めるにも、NFT化されたコンテンツがグローバルに流通することが非常に重要です。今後の展望として、音楽やアニメなど、日本がグローバルに強みを発揮するコンテンツに特化したマーケットプレイスが誕生するかもしれません」

 「NFTの流動性向上のためには、それぞれのマーケットプレイスが対応できる暗号資産・仮想通貨やNFTの種類を増やすことも必要です。数億円の価値を有するNFTも数多くあることを考えると堅固なセキュリティーも求められます。事業者による中央管理と個人分散管理の間をとってうまくリスクを分散できるような、中間的なソリューションの創出が望ましいのではないでしょうか。このようにNFTに関しては、制度のみならず技術やシステム改善の余地も大いにあります。暗号資産やNFTの領域でサービスを提供する企業として今後も技術力や知見を磨き続けます」

 

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