BizGateリポート/経営

ウクライナ大使館、窮地救った名古屋のベンチャー 殺到した電話・メール、DXアドバイザーが解決

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

 中小企業向け実践的認定資格

 「日本の企業数の99.7%を占める中小企業は、DXに関して情報を得る機会も少なければ、ヒト・モノ・カネの面で、大手企業のように投入できる潤沢なリソースもありません」。そう語るのは同協会の運営本部長を務める須田憲和氏だ。

 同協会は中小企業向けにDX化の羅針盤となるスキームを作成。そのうえで実際にDX化に取り組む際、中小企業に対して実務的にアドバイスできる人材を育成する目的でDXアドバイザー認定制度を始めたという。

 「中小企業が抱える課題は千差万別。DXアドバイザーには1社ごとに課題とそのソリューションを提案し、寄り添い支える役割が期待されます」(須田氏)

 協会の理事を務める當間勇人氏によると、試験では次の4分野に関する知識が問われる。

 ①ITリテラシー:経営戦略やシステム戦略に関する知識、ネットワークやセキュリティーなどのテクノロジーに関する知識

 ②DXリテラシー:DXの基礎知識、データを活用するうえで必要なデータサイエンスの知識、AI(人工知能)やあらゆるものがネットにつながるIoTに関する知識

 ③ビジネスアナリシス:DXの実現に向けた現状の整理、および課題を解決するために必要な手順や方法に関する知識

 ④情報マネジメント:DXの実現に向けて活用するデータや、企業情報を守るための法律などに関する知識

 この4つからもわかるように、何かひとつに精通している人よりも、広い視野を持つ人材のほうが試験には合格しやすい傾向がある。22年5月時点での合格率は62%ほどで、国家資格の「ITパスポート」とほぼ同等の難易度だという。

 當間氏はDXアドバイザーに認定されることのメリットについて次のように話す。

 「最大の利点は、企業の抱える課題をDXで解決できる人材だと証明されることです。DXに関する広範な知識が求められるため、合格者からは『社内の人材育成制度としてこの資格を利用したい』といった声も届いています」(當間氏)

 22年4月29日現在、2137人の有資格者を数えるDXアドバイザー。「認定されたことで大手企業や公的機関からの引き合いが増えました」と話す苔縄氏のように、デジタルの専門家としての立ち位置を明確にしたい人は挑戦してみてはいかがだろうか。

文:八鍬 悟志(やくわ さとし)
出版社に勤めたのち、フリーランスライターへ。現在はMikatus(ミカタス)株式会社に所属。得意ジャンルはビジネス分野と国内外の紀行文。特に人にフォーカスを当てたルポルタージュを得意とし、中小企業に対する取材をライフワークとする。日本百名山の踏破を目指しているほか、国内外を走るサイクリストでもある。

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。