東京駅上空は500億円 復元資金を稼いだ空中権とは

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 東京駅駅舎の復元工事が終わり、今月から全面開業した。重要文化財である赤レンガ駅舎を創建当時の姿に戻すために投じた500億円は“空中権”を売却して調達したという。空中権とは何なのか。

■空中権の実態は容積率

 復元された東京駅「丸の内駅舎」は地下2階、地上3階(一部4階)。復元を目的として低層の構造になったが、東京駅の立地なら敷地面積に対して9倍の延べ床面積になる高いビルの建設も可能だった。今回は駅舎を低層にしたことで開発しなかった駅上空部分の権利「空中権」を周辺の開発ビルへ売却したという。

 空中権とは法的に定められた権利ではなく、あくまでも民間の不動産取引の中で生まれた概念で、実際は容積率のことを指している。

 都市計画法と建築基準法が2000年に改正されて特定の地域で容積率を開発物件の間で移転できるようになったのがきかっけだ。国土交通省は「不動産としての売買を前提としている訳ではなく、(容積率を)柔軟に活用することで、既存の市街地での土地を有効利用できるようにするため」と改正の経緯を説明する。

 東京駅の容積率の上限は900%。建ぺい率は80%で、地下階を作らなければ、10階以上を建造できる。低層にしたため容積率は692%分あまった。

 今回は余剰分を周辺で開発された6棟のビルに売却している。JR東日本によると、「投資した総額約500億円のほぼ全額を容積率の売却でまかなえた」という。

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