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ワーケーションを「旅行」にしない事前プランの作り方 ニット広報/オンラインファシリテーター 小澤 美佳

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<社員側のメリット・デメリット>

1.仕事とプライベートのメリハリがつき、生産性向上につながる

ワーケーションではバケーションの予定も入れるので、仕事とプライベートの時間にメリハリがつき、生産性を上げて働くことができる。長時間パソコンと向き合うことは、心身ともに良くないが、オフィスや在宅勤務の際にリフレッシュする環境が整っておらず、なかなかパソコンから離れることができない人もいるだろう。

そのために大事なのはバケーションのスケジューリングだ。これを行わないと、真面目な人ほど仕事だけして終わってしまう。普段と違う環境で集中できるというメリットもあるが、せっかく日常とは離れた土地に来ているのに仕事だけするのはもったいない。

ワーケーションの場合は観光地や自然など気分転換がしやすい環境が整っている。これを機に、働き方を見直し、限られた時間で業務効率をどのように上げたら良いか考えるきっかけにすると良いだろう。

下記に21年2月20日~28日まで長野県小布施町でワーケーションを実施した際のスケジュールを示すので、プラン設計の参考にしていただきたい。

赤い部分は「バケーション」で、1日に1回はその時間を設けた。スケジュールは事前にある程度立てておきつつ、現地の人と触れ合いながら臨機応変に変更していくのもワーケーションの醍醐味である。そういった意味では「セルフコントロールができる人」がワーケーションに向いているのではないだろうか。

2.孤独感が解消される

ワーケーション中は現地の人との触れ合いもあり、複数人で一緒に対面で話しながら仕事ができるため、孤独感を感じる機会が減りやすい。

また、バケーションを通してプライベートのやりとりをすることで、お互いの理解が深まり心理的安全が確保される。これにより、仕事でも「ちょっと困ったことができたから相談しよう」「あの企画一緒にできないかな」など気軽に声をかけ合い、仕事の解決策を導き合い、新しいイノベーションを生み出すことができるだろう。

社員側のデメリットとしては、ネット環境で仕事の効率が左右されてしまうことだ。そのため、事前に仕事ができる場所のリサーチが大切である。地方や離島では、コワーキングスペースやワークスペース、宿舎など充電場所があり仕事ができる場所が限定される。会社が貸与しているパソコンであれば情報セキュリティ面の事前確認も必要だ。

 「ワーケーション」はニューノーマル時代の新しい働き方だと私は思う。「テレワーク」がそうだったように、「ワーケーション」という新しい働き方は社員にとっても企業にとってもメリットがある。ただ上記で述べてきたように企業として取り組む場合はただの旅行にならないよう目的やゴールを決めるなどの準備が必要だ。複数回または色々なチームで実践することで、その企業ならではのワーケーションの仕組みづくりができたら良いのではと考えている。

小澤 美佳(こざわ・みか)
(株)knit(ニット)広報/オンラインファシリテーター
2008年リクルート入社。10年間、HR一筋。中途採用領域の代理店営業、営業マネージャーを経て、リクナビ副編集長として数多くの大学で、キャリア・就職支援の講演を実施。採用、評価、育成、組織風土醸成など幅広くHR業務に従事。18年、中米ベリーズへ移住し、現地で観光業の会社を起業。19年にニットに入社し、営業・広報・人事を経験後、現在はオンラインファシリテーターとしても活動中。

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