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決算業務「ほぼリモートで」20% 経理なお生産性に課題 日本CFO協会アンケート調査から

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 進むテレワーク、進まぬ生産性向上――。日本CFO協会(東京・千代田)が上場企業を中心に財務最高責任者(CFO)ら経理・財務幹部へのアンケート調査を実施したところ、在宅勤務が普及する一方、83%が生産性に問題を感じていることが分かった。往復の通勤時間を省けるなどの理由でテレワークは生産性向上に役立つとされているが、十分に活用し切れていない現状が浮き彫りになった。新型コロナウイルスの感染が長引く中、電子ハンコやクラウド型経理システムなどの導入が一部で進んでいる。しかし日本CFO協会の谷口宏専務理事は「デジタルツールを利用できる人材が企業側に育っていない」と指摘している。

テレワーク実施7割超、途中で出社は8割

 同協会はデジタル経理システムを手掛けるブラックライン(東京・港)の協力を受け、前期の決算業務を終えた5月18日から6月4日までに513社にアンケート調査を実施した。企業規模は従業員数5,000人以上の企業が23%、5000人未満1,000人以上は43%、1000人未満500人以上が8%、その他が26%だった。業種別では製造業23%、小売業16%、情報・サービス13%、商社・卸売業10%、保険8%、建設・不動産5%、通信業4%、飲食業3%、その他が18%を占めた。

 この1年間のテレワークの状況は77%が「全社的に進んでいる、すでに定着している」と答え「一時期実施したが定着しなかった」(14%)を大きく引き離した。ただ、77%の内訳として「全社的には実施しても経理部署はあまり進んでいない」とする企業が23%を占めた。直近の決算では「監査も含めてほぼテレワークで実施できている」のは20%にとどまった。「一部をテレワークでこなしたが必ず何人かは出社した」が55%を占め、25%が大部分の業務をオフィスに出社して行ったという。

 テレワークで経理を完結できない理由(複数回答)は「社内で紙の書類や押印などペーパーワークをなくすのが難しい」が78%、続いて「取引先や金融機関など外部との関係で紙の書類が残る」60%、「人が集まっていることが経理の進め方になっている」53%などが挙げられた。具体的に対応が難しい業務内容(複数回答)は「単体決算」が63%、「監査対応」62%、「売掛金など未収入金管理」52%、「買掛金など未払い金管理」42%、「現預金出納」40%などが多かった。

 経理の生産性向上について聞いたところ、「経理の生産性向上を優先度の高いテーマとして取り組んでいる」が53%、「生産性向上の重要性は経営層も認識しているが、具体的な取り組みには至っていない」が30%と計83%が経理業務の生産性向上に課題があると回答した。「全社的なテーマとなっていない」が13%、「喫緊の課題ではない」は4%だった。

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