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無観客五輪 経済効果「3500億円に縮小」 大和総研・神田慶司シニアエコノミストに聞く

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前回の緊急事態宣言より悪影響は限定的に

 「今回は対象地域が絞られており、大型商業施設などに対しては休業でなく営業時間短縮が要請されたため、悪影響は小さくなる」と神田氏は指摘する。引き続きサービス消費を中心に打撃を受けるものの、半導体不足で抑制されていた自動車生産は7月以降持ち直すとみている。

 神田氏は、これまでの緊急事態宣言との違いにワクチン接種がそれなりに進展している点を強調する。「東京では高齢者の中で少なくとも1回接種した人の割合は7割程度まで上昇しており、2回接種を終えた人も4割程度にまで達している」と神田氏は話す。

 感染力が高いとされるデルタ株への置き換わりで新規感染者の増加は当面続くものの、重症者や死亡者増加ペースは緩やかになり医療体制への負荷が抑えられる可能性を指摘する。

 英国は人口の大半を占めるイングランド地方のロックダウン(都市封鎖)を解除した。19日からは、ナイトクラブも営業できるようになるほか、店内やイベントの人数制限もなくす。人と人との距離(ソーシャルディスタンス)に関する規制も撤廃する。ワクチン接種が進み死者や重症者の数が抑えられていることから、ウイルスとの共生路線を進める方針だ。ただ感染者が引き続き増加傾向にあるため、公共交通機関など人混みの中ではマスク着用を推奨する。神田氏は「日本も感染拡大防止と社会経済活動の両立を模索していくべきだろう」としている。

 大和総研では7-9月期の実質GDP成長率はプラスを維持できると予想している。神田氏は「6月の消費は耐久財を除いて増加に転じたようだ」と話す。今後もキーポイントは引き続き人出の抑制とワクチン接種率の高まりだ。「順調に進めば今秋からは経済活動の正常化が急速に進むシナリオも考えられる」と神田氏は期待を寄せている。

(松本治人)

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