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無観客五輪 経済効果「3500億円に縮小」 大和総研・神田慶司シニアエコノミストに聞く

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 東京五輪が23日に開幕する。東京への緊急事態宣言の影響で首都圏や北海道などでは無観客開催の動きが広がっている。五輪・パラリンピックの経済効果は従来の予想から大幅に減少し約3500億円にとどまるという試算を大和総研が明らかにした。さらに8月22日まで続く緊急事態宣言などの影響は実質GDP(国内総生産)を約4700億円押し下げるという。大和総研の神田慶司・シニアエコノミストに聞いた。

大会関係費2000億円、家計の支出1500億円

 東京と埼玉、千葉、神奈川の1都3県の会場がすべて無観客での開催となり、札幌市のサッカー競技も、さまざまな経緯を経て無観客に決まった。「復興五輪」を掲げて観客の受け入れ準備を進めていた福島市の野球・ソフトボールの試合も一転して無観客実施を発表。宮城のサッカーと静岡の自転車、学校連携観戦プログラムのみの茨城のサッカーが有観客の見通しだ。

 東京都は2017年の時点では、新規恒久施設の整備などを含めて直接的な経済効果は約2兆円と試算していた。神田シニアエコノミストは「新型コロナウイルスの感染が拡大した昨年6月の時点では、約5200億円の経済効果を予想していた。無観客開催が広がったことで約3500億円まで縮小するだろう」と分析する。

 内訳は大会の運営に直接必要なコロナ対策、セキュリティー関連、管理・広報費などの費用が約2000億円。開催に伴う五輪・パラリンピック関連グッズなど家計からの支出が約1500億円と見積もる。大幅に減少するのは大会参加者や観戦者の交通費や宿泊費、飲食費、買い物代などだ。「当初は2080億円と見込まれていたが、無観客開催なら限定的な経済効果しか無いだろう」と神田氏。

 一方、8月22日までの東京都と沖縄県の緊急事態宣言や大阪府、神奈川、埼玉、千葉各県への「まん延防止等重点措置」の影響はマイナス4700億円。東京で約2100億円、東京以外の1府4県で約2600億円下押しするとみている。4月からの3回目の宣言による実質GDPへのマイナスは10都道府県で1カ月当たりマイナス約7900億円だった。外食や旅行、レジャーなどを中心にサービス消費が落ち込み、外出自粛の影響で衣料品や化粧品も落ち込んだ。

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