コロナ倒産の真相

有名フィギュアメーカー イベントと中国生産中止でコロナ破綻 帝国データバンク 情報部

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新型コロナが追い打ちをかけることに

 生産体制の改善をめざして最新の3Dプリンターを導入したほか、主力フィギュアに加えてプラモデルや胸像、カプセルトイ向け商材などを伸ばして業績を改善していく計画でした。しかし、新型コロナの感染拡大が立ちはだかったのです。

 アクアマリンは、製造を中国のOEM(相手先ブランドによる生産)企業に委託していました。それが新型コロナの感染拡大によって中国の工場が一時的に操業を停止し、売り上げの約8割を占めていたフィギュア販売に大きな支障をきたすことになりました。

 サプライチェーンの停止に加え、国内で多くのアニメやゲーム関連のイベント開催が見送られたことでキャラクターグッズの販売機会を逸失してしまいました。資金繰りは急速に悪化。新型コロナ関連の緊急融資や取引先に対する事業譲渡の道を模索したものの、いずれも奏功しませんでした。同社ではこれ以上事業を継続すると、かえって関係者に迷惑をかけてしまうと考え、事業停止の判断を下したという。

債務超過ゆえに信用面の不安

 世界中から高い評価を得ている日本のアニメ。関連グッズを扱い、品質面で高い評価を得ていたアクアマリンの倒産はネット上で大変話題となり、事業停止を残念がる多くの声がみられました。

 売り上げは伸びていても、もともと小規模な経営だったことに加えて、新型コロナの直前決算で債務超過に転落していたことは、事業を継続するうえで信用面からもハードルになっていたのかもしれません。

(※)新型コロナウイルス関連倒産の定義
新型コロナウイルス関連倒産(コロナ関連倒産)とは、帝国データバンクが全国の事業者の倒産取材をする過程で新型コロナが倒産の一要因または主因となったことを当事者(社長や役員)または代理人(弁護士)が認めた場合、また、取引先への通知などにその旨の記載が確認できた倒産を指します。
帝国データバンク 情報部 著『コロナ倒産の真相(日経プレミアシリーズ)』(日本経済新聞出版、2021年)、「第2章 娯楽業界-『3密回避』でビジネスモデルの転換期に」から抜粋。転載にあたり一部編集しました。
帝国データバンク 情報部
1900年創業の民間信用調査会社。国内最大級の企業情報データベースを保有。帝国データバンク情報部は、中小企業の倒産が相次いだ1964年、大蔵省銀行局からの倒産情報の提供要請に応じるかたちで創設。情報誌「帝国ニュース」の発行、「全国企業倒産集計」などを発表している。

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