BizGateリポート/人材

「ドラゴン桜」桜木が教えるただ1つのこと 非認知能力、社員教育にも 中山芳一・岡山大准教授に聞く

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

新人研修や内定者研修にも適用

 ――若手社員への教育やこれから始まる内定者への入社前研修には非認知能力向上のプランを盛り込めば良いでしょうか?

 「非認知能力は変容しやすさのレベルで分類可能です。言葉遣いや立ち居振る舞いは、自分の意識でコントロールしやすく習得できる浅いレベルの非認知能力です。逆に性格や気質などは乳幼児期などの早い段階に本人の基盤となる深いレベルで、社会人になった段階ではおいそれと変えられません。企業研修で向上を促すのは中間レベルの(1)価値観(2)自己認識(3)行動特性など、経験と学びの中で形成される汎用性の高い非認知能力でしょう」

 「ビジネスパーソンならば自社の企業理念をどう自らの価値観に落とし込むか、自分を知るためにメタ認知できるか、プロフェッショナリズムのある行動様式を取れるか――。企業がカリキュラムに従ってノウハウを与えるのではなく、自分でビジネススキルを磨かせます。名刺交換など浅いレベルの礼儀作法は具体的に教えなくとも本人が自分で調べて習得するように仕向けるのです」

 ――具体的に非認知能力向上を社員研修の中心に置く企業も出てきているのですね。

 「岡山市に本拠を置く菅公学生服は『アイデアドーナツ』と呼ぶ手法で新人研修を始めています。私も開発に携わりました。同心円の中心に同社の企業理念を置きます。そこから企業理念を実現するために必要な非認知能力を挙げていき、さらに各非認知能力を向上できた際の具体的な行動指標までを放射線状に書き出していくのです。この研修方法なら、最も重要な企業と社員としてのあり方を先輩社員が一方的に教え込まなくても、新人自ら考えることができるでしょう」

 ――新型コロナウイルスの感染収束が見えてこない現状では、今年の新人研修もこれからの入社前研修もオンライン中心にならざるを得ません。せっかく入社したのに早めに離脱するケースも目立ちます。オンライン研修の注意ポイントはどこでしょう。

 「講師となる先輩社員のメタ認知能力を高めることが先決です。メタ認知の基本は、自分自身をオンタイムでモニタリングとコントロールすることです。新人社員らの端末画面で自分がどう見られているかをモニタリングしながら、より深く相手の心に刺さる話し方や内容を工夫できるように、自らをコントロールしていきたいものです。非認知能力を追求することは若手社員ばかりでなく自分を磨くことにつながります」

(聞き手は松本治人)

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。