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新人教育、オンラインでも成果 離職防ぐ3段階の目標設定 ニット広報/オンラインファシリテーター 小澤 美佳

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 新卒社員が3年以内に離職する比率は大卒で32.8%、高卒で39.5%に達する(厚生労働省が2020年10月に公表した「新規学卒就職者の離職状況」)。早期離職の原因を見てみると、「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかったため」「自分がやりたい仕事とは異なる内容だったため」という理由が目立つ(独立行政法人労働政策研究・研修機構「若年者の離職状況と離職後のキャリア形成」)。面接時と言われたことが違うというケースもあるかもしれないが、就職活動時に応募要件をよく確認することや、OB・OG訪問など、何か事前にできることがあったのではないかと思う。

 では、学生はどのような思いで就職活動をしているのだろうか。

 私は週に1度、嘉悦大学でキャリアや就職活動に関する授業の講師をしているので、大学生から相談を受けることも多い。大学生との関わりの中で見えてきたことがある。

学生、就職がゴールに

 入社後に離職してしまう大学生に共通するのは就職がゴールになっていることだ。極端に言うと、「内定ゲット」がゴールになっている学生も多い。また、就職ガイダンスや就職イベントでは、ES(エントリーシート)の書き方や企業分析の方法など、面接に受かるための対策などあくまで就職することをゴールとして伝えているものも多い。

 これにより、ただ企業ブランド力が高い会社を選んだり、「とりあえず内定もらったから、行く」と決断したりするなど、自分が本当にやりたいことを長期スパンで考えない学生が出てきてしまう。自分自身の価値観、強み・弱み、実績などを本格的に就職活動を行う前に「棚卸し」をして、「どういう人生を歩んでいきたいのか」というキャリアプランを言語化することが大切だ。その上で、企業の人と面接やインターンを通じて、徹底的に会話をし、より自分のキャリアプランを明確にしていくのだ。

 このようにすることで、自分が自分らしく働ける環境を選ぶことができ、ギャップも少なくなり、入社後に活躍できる状態になると考えている。

 リクルートキャリアが公表した『就職白書2021』では前年に引き続き、企業が採用活動で提供する情報と学生が就職活動で知ることができた情報には差が見られたという。

 企業も、入社後のギャップを小さくするためには、自社が求める能力や仕事内容、文化などを適切に把握・言語化し、学生とのコミュニケーションの中で、学生にとってリアリティーのある情報を伝えていくことが重要だ。

 また、『就職白書2021』によると企業内での採用設計や戦略が練られていて、学生への情報開示が進んでいる企業は入社予定者に満足していることが分かっている。

 学生も企業も入社後に満足した働き方ができるようにするためには、お互いが情報を提供しあう努力を続ける必要がある。

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