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22年卒選考解禁 これもセクハラ?面接官のNG例と注意点

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 新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、2022年春卒業の大学生の就職活動が本格化している。すでに内定を得た学生もいるものの、その多くは選考解禁の6月1日以後も活動を続けるという。選考を前に、学生にとって気になるのが就活ハラスメント(パワハラ・セクハラなど)の問題だ。面接を含めオンラインによる就活が多くなっているが、ハラスメントがなくなるわけではない。問題が起きれば、企業にとっては優秀な人材を逃がすだけでなく法的トラブルなどに発展する可能性も否定できない。企業の心構えをコンサルタントに聞くとともに、リスクをこの問題に詳しい弁護士に解説してもらった。

緊張ほぐそうとする軽口が逆効果にも

問い:あなたがオンライン面接官として就活生に質問します。以下の項目でNGなものを挙げて下さい

(1)きみ背が高そうだね、ちょっと立ってみてくれる

(2)SNS(交流サイト)を見ているよ

(3)きれいなカーテンだ。うちにも欲しいな

(4)カリフォルニアの高校に通ったんだね。お父さんの職業は商社マンかな

(5)入社後のキャリア形成の希望教えて。ウチは3年くらいで転職する社員が多いけど、相談に乗るよ

 人材育成コンサルタントの吉田幸弘・リフレッシュコミュニケーションズ代表は「いずれもNGまたは不適切で避けるべき質問の部類に入る」と言い切る。吉田氏は企業の管理職向けに年約100社講演するコミュニケーション術のプロだ。「良かれと思って」「そんなつもりはなかった」という意識が就活のパワハラ・セクハラを生むと戒める。

 厚生労働省の調査では就活時や就業体験(インターンシップ)でセクハラ被害に遭った人が4人に1人にのぼっている。昨年10月、2017~19年度に大学や専門学校などを卒業し、就活やインターンシップを経験した男女1千人を対象にインターネットで調査した。被害の経験があると答えたのは25.5%。性別では男性26.0%、女性25.1%で、男性の方が高かった。吉田氏は「オンラインでボディータッチなどの心配がなくても就活パワハラ・セクハラが減っている感触はない。直接の対面に比べ、コミュニケーションの間合いが難しいのがオンライン面接だ。ムードを和らげようとする軽口が逆効果になる」と話す。

「キミきれいだね」を男性に置き換えると…

 女子就活生に「キミきれいだね」と話す面接官は今どきいないだろう。(1)の場合は、それを男性に置き換えただけのケースだ。「男性で容姿を褒められても不愉快に感じる学生はいる。人事担当者には首から下は見ないようにアドバイスしている」と吉田氏。(2)のSNSも学生が自ら作成したエントリーシート以外に情報を得ていることを示し、圧迫感を与える可能性が大きいという。

 (3)は昨年、急速にテレワークが普及した時にも問題になった、典型的なリモートハラスメントといえる。「就活生の部屋をあれこれ見回していることを示すものだ」という。(4)は帰国子女のケースになる。軽く話題を振ったつもりでも、本人以外の家族の関係に立ち入ることは戒めなければならない。ただ、英語をどのように習得したか、習熟後は日常がどのように変わったかなどの質問は問題ない。

 (5)は面接官ならば聞いてみたいところではある。しかし吉田氏は「将来の転職はまだプライベートな範囲になり、面接段階では不適切だ。心理的な圧迫感を学生に与える」という。必要以上にプライベートの範囲に入り込むことは控えるべきだとしている。

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