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緊急事態宣言 4ー6月もマイナス成長か 神田慶司・大和総研シニアエコノミストに聞く

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 新型コロナウイルスのこれ以上の感染拡大を防ぐため、東京など4都府県に発令した緊急事態宣言が、景気マインドを冷やすことは確実だ。さらに日本経済の隠れたアキレス腱(けん)が表面化しつつある。神田慶司・大和総研シニアエコノミストは「産業界の二極化が進んでおり、半導体不足で自動車が50万台減産すれば実質国内総生産(GDP)を0.9兆円押し下げかねない」と警告する。

宣言でマイナス影響は0.6兆円

 大和総研は、今回の緊急事態宣言が実質国内総生産(GDP)に与える影響を1カ月当たりマイナス6000億円と試算する。全都道府県が対象となれば影響はマイナス1.6兆円にまで拡大する。3月9日時点では1~3月期の実質GDP成長率を前期比年率マイナス5.1%、4~6月を同プラス4.8%と予測していが、神田氏は「2期連続のマイナスとなる可能性がある」とみる。

 「まん延防止等重点措置」による経済活動への制限は、1月に発令した緊急事態宣言とほぼ変わらない。さらに時短協力金が企業規模に応じて支給する仕組みに見直されたため、営業時間短縮の要請の実効性が向上すると分析している。まん延防止措置について神田氏は「効果がないとの指摘もあるが、東京・大阪・京都・兵庫の小売店、娯楽施設では人出は減少している」と言う。感染拡大に歯止めがかからないのは変異株が広がった影響が大きいようだ。

 内閣府が3月に発表した上場企業へのアンケート調査を神田氏は分析し、「中期的な視点では、期待成長率は低下していない」と話す。今後3年間の設備投資と雇用者数の見通しも製造業・非製造業ともにプラスを維持している。2008年のリーマン・ショック時と大きく異なる点だ。08年度に実施した同様のアンケート結果では両業種とも需要の見通しがマイナスで、特に製造業は設備投資・雇用者数の見通しもマイナスだった。

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