アフターコロナの働き方

五月病も早期化?「ヨコからの承認」が新人離職防ぐ 同志社大学政策学部教授 太田 肇

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高卒者には合同研修も

 一つ付け加えておきたいのは高卒者への対応である。

 近年は新卒採用のなかに占める大卒の比率が高まり、高卒の同期生が少数派になってきている。同じ同期でも高卒と大卒は年齢や経験に差があるため打ち解けにくく、孤独感から離職にまで至るケースが少なくない。

 そこで提案したいのが、企業の枠を越えたネットワークづくりである。たとえば業態の異なる企業どうしで定期的に合同研修や交流会を開催すれば、仲間ができるうえに視野も広がり、一石二鳥ではないか。

 また大卒者にはあまり人気のない社内のレクリエーションやサークル活動も、高卒の新人には比較的参加者が多いといわれる。仕事では一人前でなくてもスポーツや遊びで主役になれれば自信がつくし、周囲に「受け入れられている」という実感も得られる。

 いずれにしても、できるだけ早く横の関係を築かせることが新入社員の離職防止に大切である。コロナ禍の影響で集まることが制限されているいまでも、リモートによる「バーチャル同期会」やスマートフォンを利用したチャットなど、企業が提案・支援できることはあるはずだ。

太田肇(おおた・はじめ)
同志社大学政策学部・同大学院総合政策科学研究科教授。神戸大学大学院経営学研究科修了。経済学博士。専門は組織論、とくに「個人を生かす組織」について研究。元日本労務学会副会長。組織学会賞、経営科学文献賞、中小企業研究奨励賞本賞などを受賞。『「承認欲求」の呪縛』(新潮新書)、『「ネコ型」人間の時代』(平凡社新書)、『公務員革命』(ちくま新書)、『「見せかけの勤勉」の正体』(PHP研究所)、『個人尊重の組織論』(中公新書)、近著に『「超」働き方改革』(ちくま新書)など著書多数。

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