日経ソーシャルビジネスコンテスト関連特集

社会課題解決 止めぬ挑戦

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大賞
Manasa Mora

洗濯の負担減 女性活躍後押し

 マダガスカルでランドリー事業を起こす準備を進める。「マナサ・ムラ」は現地の言葉で「簡単に洗う」という意味。機械化が進んでおらず、女性が洗濯に多くの時間や手間を費やす現状を改善。女性の負担を減らして社会進出を後押しし、マラリア対策にもつなげる狙いだ。

 稲垣葉子代表は国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊員として現地を訪問。長時間手洗いする女性の姿を目の当たりにした。しばしばスコールで街中に水たまりができ、マラリアを媒介する蚊が発生しやすい衛生事情も知った。「洗濯に費やす分の時間を子どもの教育や自らの学びの時間に充ててもらえないか。マラリア対策にもなる」と実感した。

 事業展開に当たっては当面、ある程度所得がある層の利用を想定。まずは協力隊員として2年間を過ごしたマダガスカル東部のトアマシナを足がかりにする。機械式コインランドリーを置く施設をつくり、持ってきた汚れた服を洗って乾燥までできるようにする計画。洗剤代わりに、環境にも優しいというマグネシウムを使う予定だ。

 運営スタッフは今のところ現地女性2人を含めて4人。「事業に共感してくれる人をもっと呼び込んでいきたい」と意気込む。将来はアフリカ全域にサービスを広げる構想だ。

優秀賞
AGRIST

収穫ロボット 農家の声反映

 宮崎県で農家の声を聞きながら、ピーマンの自動収穫ロボットを開発した。担い手の高齢化が進み、収穫の人手も足りないという悩みを解決しようと、斎藤潤一最高経営責任者(CEO)が中心になって2019年に創業。農場の前に開発拠点を置き、1年ほどで現在の形にまで仕上げた。

 高性能なロボットができても購入できないのでは意味がない。機能を絞り、低コストのロボットを目指した。現段階の導入費用は1台当たり150万円。パート1人雇う人件費の1年分だという。ただ「ロボットはあくまでも補助的な役割」と斎藤さん。すべての作物を完全に収穫することはあえて目指していない。

 しかし人工知能(AI)を搭載し、画像認識で「実の色がおかしい」などの異変はスマートフォンに通知できる。今後はキュウリやトマトに対応するロボットも開発する計画だ。

優秀賞
ツナガリMusic Lab.

障害ある子 音楽教室で肯定感

 発達障害のある子ども向けの音楽教室を神戸市や兵庫県西宮市で展開する。それぞれの状況に合わせたオーダーメードの音楽レッスンを通じ、周囲の人たちとの関係づくりを手助けしている。特別支援学校の教員をしていた経験もある武藤紗貴子代表は「発達障害のある子どもたちの自己肯定感を高めることが私たちの使命」と話す。

 家に閉じこもって不登校だった子どもが教室に通ううちに少しずつ心を開き、学校の行事などに参加するようになった例もあるという。楽しみながら、少しずつ挑戦してできることを増やしていくのを大切にしている。教室では主に2~18歳の子どもを対象にしており、70人弱が集う。

 音楽教室のほかにも、親や地域の習い事教室・塾の先生を対象に、障害のある子どもの行動にどう対応すればいいかといった相談にも乗っている。

学生部門賞
Sustainable Game

中高生と企業 結びつける

 社会課題の解決に関心を持つ中高生と企業を結び付けるオンラインの枠組み「Flare(フレア)」構想を掲げ、中高生と社会人が一緒になって事業課題の解決を目指す研修プログラムを展開する。

 聖学院高校(東京・北)1年の山口由人代表理事はドイツで11年間生活。難民問題をはじめ国連の持続可能な開発目標(SDGs)について考える機会が多かったという。一方、日本では「身近な事柄と結び付けて考えていない人が多いのでは」と感じていた。

 タピオカ飲料の容器ゴミのポイ捨てなど社会問題を考える街歩きを企画。勉強会など活動は次第に広がっていき、一般社団法人も設立した。山口さんは「中高生が企業と協働するときに契約やお金など様々な事務手続きが必要になる場合もある。そういった面でも支援できるようにしていきたい」と語る。

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