SDGs時代のパーパスブランディング

ナイキ・バーガーキング…行動が生んだ信頼 ブランドストラテジスト 大橋久美子

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バーガーキングは「ワッパーのない1日」

 こうした本質的な取り組みが重要であると同時に、広告キャンペーンにおいても、競合ブランド同士の協力も起こってきている。2020年、ジョージ・フロイド事件の後アメリカで起こったBlack Lives Matter(黒人の命は大切だ)問題では、ナイキが発した「変化の一部になろう」という呼びかけにアディダスが「一緒に前進し、一緒に変化を起こそう」と答えたメッセージが大きな話題になった。2019年のアルゼンチンでは、マクドナルドがビッグマックの売り上げを小児がんのため寄付するというある1日に、バーガーキングは「ワッパー(バーガーキングの人気バーガー)のない1日」と称して、マクドナルドと小児がん寄付のためにワッパーの販売を取りやめた。ライバル同士が同じ目的に協力し合う姿は、どちらも、消費者から好感を持って受け止められている。

 今、ブランドは、パーパスを体現する実際の行動を通じて、未来をよりよくしていく存在として期待されるようになってきている。アクションを起こす存在になったからこそ、ブランドが今、信頼を取り戻しているのであり、逆にいうと、こうしたことを行っていかないと簡単に信頼を毀損してしまうのだということ、それを真摯に受け止めていく必要があるだろう。

大橋 久美子(おおはし・くみこ)
Office Story Branding(ストーリーブランディング)代表。博報堂、J. Walter Thompson(JWT)、LIFULLを経て、ブランド戦略立案を行うブランドストラテジストとして独立。 JWT時代にはブランディングモデル“Brand Nurturing”を開発、多くの日本企業のブランド戦略構築に導入した。 現在は消費者インサイトと未来創造をつなき企業価値を上げるための新たなモデル開発や戦略立案活動を行っている。女性エンパワーへの活動により、2019年campaign Asia誌 Women leading change Vision leader部門のシルバーを獲得。

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