SDGs時代のパーパスブランディング

ナイキ・バーガーキング…行動が生んだ信頼 ブランドストラテジスト 大橋久美子

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 ブランディングに対する誤解が大きいと感じることがある。一つ目はブランドというものが表面的・意匠的と捉えられてしまっていること(デザインやロゴを作ることだと思われている)、二つ目は逆に、企業が自分たちが持っている価値観をスローガンにしていくものと捉えられていること(企業理念のスローガン化)。一つ目は外部への発信に寄りすぎ、二つ目は消費者不在でインターナルによりすぎ。本来ブランドとは、顧客と企業や製品・サービスの関係性なのであり、両者を結ぶ蝶番(ちょうつがい)のようなものであるべきなのだ。

 ブランドが根付いているとされる欧米においても、きちんとブランドが蝶番になっているかどうかが今問われている。消費者に受け入れられたいがあまり、中身がないのに見かけだけよくしようとしている企業・ブランドに対しては、今「ウォッシング(上部だけ取り繕う)」と言われ信頼を毀損する行為として嫌悪されるようになってきている。

 マーケティング2.0の時代は、ターゲットが憧れる世界観を打ち出していくことができるかが大事だったので、ある意味中身よりもイメージ作りが大事だったかもしれないが、透明性が高まりパーパスを打ち出したブランドが信頼感を獲得してきている今は、ブランドは「論より証拠」の一貫性を持つことが大事になっている。単にパーパスを言っているだけでは不十分であり、より良い未来を作っていくためにブランドが実際に行う本物の「行動(アクション)」が大事だと言われる訳だ。

より良い未来に向けてアクションを起こすブランドアクティビズム

 消費者が今ブランドに期待していることは、人々が抱えている最大の葛藤であるNow&“Me”とFuture&“Us”の間に橋をかけ、未来をより良いものにしていくことだ(連載第2回「パタゴニア・ラッシュ…未来見据えたパーパス共感呼ぶ」参考)。そのためには言っているだけではダメで実際に行動を起こさなければならない。その未来に向かって進むためのアクションを行うこと、それがブランドアクティビズムだ。

 Future&“Us”をより良いものにしていくのは消費者とブランドの共通目標であり、消費者自体も受動的な存在ではなく、自らが変化を生み出す主体になりたいと望んでいる。ブランド自体が行動するだけでなく、行動の中にさらに消費者を巻き込み、消費者が行動を起こすことをサポートすることができれば、ブランドと消費者は相互に強く結びつき、より大きな社会的なインパクトを目指していく。

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