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緊急事態宣言の延長で「景気二番底」の恐れも 神田慶司・大和総研シニアエコノミストに聞く

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 政府の緊急事態宣言の1カ月延長で、実質国内総生産(GDP)への影響はマイナス2.8兆円にまで拡大するとの見通しを大和総研が示した。対象となる10都府県の経済規模は、日本全体の約6割を占める。1~3月期の実質GDP成長率も前期比年率マイナス7.0%まで悪化し、「景気の二番底」への恐れは一層高まってきている。ただ記録的な落ち込みをみせた昨年春に比べ、小売業の休業要請は行われず、耐久消費財などへの影響は限定的になりそうだ。「感染拡大防止に重点を置くことがポイントで、3月上旬に感染拡大が落ち着けば4~6月期に前期比年率8.1%の成長も可能だろう」(神田慶司シニアエコノミスト)と分析している。

2.8兆円の影響、マイナス7.0%成長に

 日本より早くコロナ感染の再拡大に見舞われ、ロックダウン(都市封鎖)を再導入したユーロ圏の昨年10~12月期の実質GDP成長率(速報値)は、前期比マイナス0.7%(年率換算マイナス2.8%)で2四半期ぶりのマイナス成長となった。この1~3月期もマイナスとなる公算が大きく、ユーロ圏経済は景気の二番底に陥る可能性が高い。

 日本の場合、2月15日公表の10~12月期の実質GDP成長率(1次速報)は前期比1.5%(年率6.3%)と、2四半期連続のプラス成長を神田氏は予想する。公共投資が堅調な上、住宅投資は減少したものの個人消費と設備投資が拡大したもようだ。ただ1~3月期の予想は、緊急事態宣言が延長されたことを受け、実質GDP成長率を前期比年率マイナス4.0%からマイナス7.0%へと下方修正した。

 人出のデータやPOS(販売時点情報管理)データ、百貨店やアパレル、家電大型専門店などの個別情報を収集して1月時点の最新情勢を分析したという。小売店やショッピングセンター、飲食店、映画館などへの人出は、1都3県に緊急事態宣言が発令された直前から急速にしぼみ、1月末時点ではコロナショック前と比べて約25%減少した。神田氏は「今回の外食・旅行・娯楽関連消費は、コロナショック前に比べマイナス50%にまで落ち込んだ可能性がある」とみる。

 昨年春に休業要請もあって大きな打撃を受けた大手百貨店は、1月は前年比約3割の売り上げ減だったようだ。「しまむらやユニクロ、ユナイテッドアローズなどを個別に分析した結果では、アパレル業界で昨年時のような大きな落ち込みは確認されなかった」と神田氏は話す。

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