SDGs時代のパーパスブランディング

パタゴニア・ラッシュ…未来見据えたパーパス共感呼ぶ ブランドストラテジスト 大橋久美子

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 マーケティングのレジェンドであるフィリップ・コトラー教授が提唱している「マーケティング3.0」という概念は皆さん、ご存じのことだろう。すでにマーケティング4.0、そして近々マーケティング5.0も発表されるようだが、私は、マーケティング3.0までの変化が最も重要だと思っている。

マーケティングの変化・消費者の変化

 製品機能が重要だった時代のマーケティング1.0、差別化されたポジショニングが重要だった時代のマーケティング2.0、そして信念・精神性が重要な時代のマーケティング3.0。(マーケティング4.0は、3.0の価値主導のマーケティング・ブランディングを、テクノロジーや人のつながりの変化の中でどのように経験として構築していくかということに焦点が当たっているので、この3.0の土俵の上にあるものだ。)

 例えば、サステナブルブランドジャパンのオンラインマガジン(2019年10月31日付)の中でP&Gチーフサステナブルオフィサー、ヴァージニー・ヘリアス氏は、こんなことを言っている。「P&Gは、マーケティングやブランド・マネジメントを考案してきました。1879年、最初の石鹸のブランド『アイボリー』が誕生し、その後、『キャメル』が登場しました。同じ会社に2つのブランドが存在し、それぞれのブランドを成長させるために、その時代におけるブランドのポジショニングを考える必要があったのです。これがブランド・マネジメントの始まりです。いま、私たちには同じことが求められています。消費者がブランドに求めるものはこれまでとは全く違っていますから」。

 これはマーケティング2.0時代のブランディングをけん引してきたP&Gが新しいブランディングに変更していくことの宣言となっている。

 では、いかに消費者に寄り添いながら新しいブランディングの方向を目指すのか。いくつか成功しているブランドの事例を見ていきたい。実はこれからあげるブランドは、CSVやSDGsが叫ばれるようになる前から存在するロングセラーブランドだが、先見性があり時代を切り開いて来た。そしてさらに、常に時代に寄り添いながら新しいメッセージを訴えている。よく知っているブランドだと思われる方もいると思うが、もう一度一緒に事例を見て行っていただきたいと思う。ともにここから学べるものは大きいと思うからである。

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