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コロナ下の映画作り スピード感と緻密なシナリオで 「大コメ騒動」の本木克英監督に聞く

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まとめ役に徹し女性パワー引き出す

 ――邦画では、どの役を演じても本人の個性が前面に出てくる主役級スターも多いですが、真逆のキャスティング術ですね。今回は登場人物の7割以上が女性です。女性陣をまとめるにはどう注意しましたか。

 「余計な介入せずに全体のまとめ役に徹するのが女性パワーを最大限に発揮するひとつの方法でしょう。私自身がなるべく多くのカットを撮影したいタイプなので、時間スケジュールの管理を中心にして皆の自主性にある程度任せました。夏木マリさんらベテラン陣もメイクや衣装のリアリティーを追求してくれ、井上さんはモニターのチェックでもいろいろ指摘してくれました。自然に良いムードの中でロケ撮影を終えられました」

 ――しかし作品を完成させる編集段階は新型コロナの感染拡大期でした。

 「映画製作が難しいという声もありましたが実は多くの作業が可能でした。映画編集の基本に返り、さまざまなリスクに注意することが必要条件です。4、5人程度の少人数チームがリモート上で進める態勢を取りました。音響・映像(AV)の細かい打ち合わせなど直接顔を合わせる場合は3密を避けるなど基本動作を徹底します」

 ――当面はウィズコロナ時代が続きます。映画製作に欠かせないポイントは何でしょうか。

 「スピード感重視の撮影現場と、事前の緻密なシナリオ作りでしょう。テレビドラマのセット撮影は現在続いています。フェースシールドを着用し、撮影後は必ず検査して翌日以降の備えるのが基本です。しかしスケジュールが大幅に長引いては現場が疲弊してしまう。効率よく撮影できるよう、脚本やシナリオは事前に何度もチェックし、コンテ作りも完成度を高めておくことが必要です」

 ――現場のリーダーが求められる点をどう考えていますか。

 「現場をよく知っていることが大前提です。リスク管理は以前よりはるかに重要になっています。セット作りのハード面から撮影ムードのソフト面まで状況に応じ、ちょっとした変更を即座に決定する知識と感覚が求められます。現在はロケ地での撮影は難しいでしょうか、各地のフィルムコミッションとは再開に備えて情報共有を欠かさないことも大事です」

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