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「GO TO トラベル」停止 経済損失は1カ月5000億円

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曜日やサービス内容に応じきめ細かい支援策を

 鈴木エコノミストは「7月から始まった『Go To トラベル』の主力を担ってきたのはローカルツーリズムだった」と分析している。高速道路網の交通量などが新型コロナ流行以前に戻りつつある反面、航空機や新幹線の利用回復は遅い。遠隔地の旅行先での感染を嫌って、自家用車などで移動できる大都市圏近隣が最も恩恵を受けていた形だ。首都圏から近く、富士五湖など観光拠点の多い山梨が典型的なケースで、静岡や栃木、新潟なども同じパターンだ。福井、富山は関西圏の奥座敷的な位置付けになる。

 一時停止の影響が大きいのは、観光産業が地域経済の柱の場合もあてはまる。沖縄、大分などの地域だ。特に沖縄は10月時点でも、県外からの宿泊者数が前年比マイナス46%と回復の足取りが遅れていた。さらに今回の状況にも対処せざるを得ない。

 観光業から他産業への雇用転換も進んでいない。政府は第3次補正予算で「Go Toトラベル」に1兆円超を積み増す。ただ「全国一律に給付するのではなく、新型コロナの感染状況を見据えながら、曜日別、サービス別によって割引率を柔軟に変えることが効果的だろう」と鈴木エコノミストは指摘する。

 平日と週末では、人出が大きく違う都市は少なくない。まずは平日の支援策が求められるだろう。宿泊施設も接触の機会を抑えやすい高価格帯の部屋の利用が平時より多く、ビジネスホテルなどの低価格帯の部屋に対する需要の回復は鈍いなどの傾向が明らかになっている。

 「Go Toトラベル」はあくまで止血剤としての役割で、長く頼り続けることはできない。日本は「コロナ収束後の観光旅行したい国・地域」としてはアジアでは1位、欧米豪でも米国に次いで2位と人気が高いという金融機関のアンケート調査も出ている。鈴木エコノミストは「衛生面への配慮、消毒、清潔さなどウイルス対策を継続しながら、インバウンド需要の回復に備えたい」としている。

(松本治人)

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