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「GO TO トラベル」停止 経済損失は1カ月5000億円

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 菅内閣が観光需要喚起策「Go Toトラベル」の一時停止を決めたことで、地方経済などに混乱が広がっている。流行している新型コロナウイルス感染のさらなる拡大を防ぐ狙いだが、観光産業への依存度が高い地域に、深刻な打撃を与えることは避けられそうもない。大和総研は、一時停止が1カ月継続した場合のマイナス効果を約5000億円と予測する。さらに3次補正予算などでも、地域や曜日、サービス内容も考案したきめ細かい支援措置が必要だとしている。

山梨、沖縄、福井、富山などの地域経済に影響か

 「全国一斉停止」は28日から2021年1月11日までの期間で、全国各地が目的地となる旅行を対象にして、ホテルの宿泊や交通費の割引、旅先で使えるクーポンなどの事業が停止になる。同キャンペーンで、10月には東京都、大阪府、沖縄県を除く44道府県で宿泊者数は前年同月比プラスとなってきっただけに、全体で経済波及効果が約4.9兆円、就業誘発効果が約46.4万人(大和総研試算)という政府の目玉事業に急ブレーキがかかる格好になる。感染者数が増えている東京都、大阪市、札幌市、名古屋市を目的地とする旅行はすでに対象から外れており、28日からは全国が対象となる。事前に予約をしていても24日までなら無料でキャンセルできたため、多くの消費者が年末年始の旅行を取りやめたとみれる。

 大和総研は「1月11日までならば消費などが約2500億円蒸発する」(鈴木雄大郎・経済調査部エコノミスト)と試算する。西村康稔経済財政・再生相は、再開時期を年明けにも判断する考えを示す。ただ冬季の乾燥した空気の中、新型コロナを収束させられる見通しが立つかどうかは不透明だ。1月末まで停止を継続した場合、1位東京都・約404億円、2位千葉県・354億円、3位北海道・306億円、4位大阪府・268億円、5位沖縄県・256億円と5都道府県で約1588億円もの経済効果を押し下げるという。

 「Go To トラベル」の経済効果を域内総生産(地域別のGDP)対比でみると、山梨6.0%、沖縄5.7%、福井2.7%、富山2.1%、大分1.9%などが上位に並ぶ。その分、一時停止によるマイナス影響が懸念材料となりそうだ。

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