楽しい職場学

オンライン会議でキャラを立てる3つの方法 西武文理大学サービス経営学部専任講師 瀬沼文彰

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仮想背景を用いずあえて自分の部屋映す

 3つ目は、2つ目の応用である。それは、仮想背景は用いずに、あえて自分の部屋を映すというアナログなテクニックだ。これは、オンライン会議システムのフレームに映るところに、自分の好きなものを置いておくという方法である。ギターを置く、観葉植物を置く、好きなキャラクターを置く、ベランダに張ってみたテントが見える位置でオンライン会議を行う、本棚の本の背表紙を取引先に応じて変えてみる…などアイデアは尽きない。相手から、「○○が好きなんですね?」「ギター弾くんですか?」などと言ってもらえれば、キャラ紹介の種まきは大成功である。コミュニケーションは、こうした何気ないことをフックに広がっていくものだ。その先には、自然と笑いも生まれてくるだろう。ちなみに、キャラを定着させるためには、前述したエピソードと絡めていくことを忘れてはならない。このような仕事とは直接関係ない雑談の工夫についてどの程度考えられるか、それは、自分に余裕さを持っていることが前提だと思う。余裕さをどのように持てるか――コロナ禍では、難しさもあるが、そこが職場を楽しめるかどうかにおいて重要なのではないだろうか。

 笑いや楽しさは、職場ではむろんメインディッシュではない。また、現状、コスパ重視のコミュニケーションが主流ななかで、社会は無駄なものを排除していく方向にある。だが、本稿で論じた雑談のような「無駄さ」や、各自がちょっとした余裕さを持つことから、イノベーションにつながる新しいアイデアや新しい他者との強固な信頼関係が構築できるはずだ。コミュニケーションをどのように行うか、雑談をどう考えるか、また、各自が余裕さを持つことができるのかなどは、テレワークが進み、それらがカットされつつあるなかで、誰もが考えなければいけない問題ではないだろうか。

瀬沼文彰(せぬま・ふみあき) 西武文理大学サービス経営学部 専任講師
日本笑い学会理事、追手門学院大学 笑学研究所客員研究員。1999年から2002年まで、吉本興業にて漫才師としてタレント活動。専門分野は、コミュニケーション学、社会学。研究テーマは、笑い・ユーモア、キャラクター、若者のコミュニケーション。単著に、『キャラ論』(2007、スタジオセロ)、『笑いの教科書』(2008、春日出版)、『ユーモア力の時代』(2018、日本地域社会研究所)など。

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