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オンライン会議 キャラ立てて距離縮めよう 西武文理大学サービス経営学部専任講師 瀬沼文彰

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自分の特徴的な部分を見せる

 いまからちょうど1世紀ほど前に、社会学者のゲオルク・ジンメルは『社会学の根本問題』のなかで、人間関係が濃密な村社会ではなく、都市化した社会の人間関係は、「全人的」ではなく「部分的」なものにならざるを得ないと指摘した。

 私たち人間は、様々な顔を持っている。感情もあれこれと変わるものだ。そのような複雑さ(=全人的)は、親しい関係の相手には見せることができるかもしれないが、誰にでもそれは見せられるわけではない。であれば、自分の全てや自然な自分を他者に伝えるのではなく、自分の特徴的な部分(=部分的)を見せてみてはどうだろうか。

 ジンメルが指摘をした100年前の社会より、現代社会は、はるかに多様な人と付き合っていく必要がある。また、オンライン上では、対面よりもコミュニケーションが限定されるため、自分の複雑な要素を伝えることがなおさら難しい。それをふまえれば、部分的な自分を見せる振る舞いはコミュニケーションの戦略としてますます必要になってきていると言えないだろうか。

 特徴的な部分とは、平たく現代風に言ってしまえば、私たちのキャラを意味する。あまりにも濃すぎるキャラも問題なのかもしれないが、「キャラが薄かった」という評価も、印象が薄く、相手にすぐに忘れられてしまいそうだ。そうならないよう、オンライン上であっても、キャラを立てる方法はないのだろうか。

 次回は、元お笑い芸人の立場と、いくつかのコミュニケーションを重視する組織でのフィールドワークをもとに、3つの方法を提案してみたいと思う。

瀬沼文彰(せぬま・ふみあき) 西武文理大学サービス経営学部 専任講師
日本笑い学会理事、追手門学院大学 笑学研究所客員研究員。1999年から2002年まで、吉本興業にて漫才師としてタレント活動。専門分野は、コミュニケーション学、社会学。研究テーマは、笑い・ユーモア、キャラクター、若者のコミュニケーション。単著に、『キャラ論』(2007、スタジオセロ)、『笑いの教科書』(2008、春日出版)、『ユーモア力の時代』(2018、日本地域社会研究所)など。

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