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検証「GoToトラベル」~若者が高級ホテルへ クーポンに経済効果 航空・旅行アナリスト 鳥海 高太朗

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 今年7月22日からスタートした「Go Toトラベル」キャンペーン。トラベル、イート、イベント、商店街の4つのキャンペーンの総額が1兆6794億円のうち、約8割にあたる1兆3542億円がトラベルの予算となっている。事務などの運営委託費が約1895億になっていることから、約1兆1605億円程度が旅行者に還元される予算配分となっている。

35%割引+15%分の地域共通クーポン

 Go To トラベルは、旅行代金の35%+15%の地域共通クーポンが配布される仕組みになっており、旅行代金の上限金額は1泊あたり一人4万円分(日帰りの場合は2万円)となっている。宿泊する場合は宿泊料金が対象であり、飛行機・新幹線と宿泊施設がセットになったプランであれば交通機関も含めて合計額が1泊あたり4万円を上限に割引される。

 1泊2日で4万円の場合は、35%分の1万4000円が割引されて支払額は2万6000円となり、更に地域共通クーポンが6000円分発行される。地域共通クーポンは7月22日のGo Toトラベル開始時点では準備が間に合わなかったこともあって35%割引のみであったが、東京都発着除外が解除されたタイミングと同じ10月1日から発行が開始された。

1泊4万円が人気、1万円以下は苦戦

 7月22日に東京都発着を除いてスタートしてから約4ヶ月、10月1日に東京都発着除外が解除されてから約1ヶ月半が経過したなかで見えてきたことも多い。まずは割引を最大限活用するべく、一人1泊2万5000円~4万円程度(2名利用で5万円~8万円)のホテル・高級旅館に予約が多く集まった。「三密」を避けたいという旅行スタイルで、宿泊施設内に滞在する時間が増えていることに加えて、普段は予算オーバーで宿泊できないホテル・旅館がGo Toトラベルを利用することで1泊3万円程度と多少背伸びをするくらいで宿泊できることも追い風となっている。年末年始も高価格帯のホテル・旅館では満室になっていることも多く、中には昨年よりも売り上げが伸びている宿泊施設もあるほどだ。

 筆者は都内在住であるが、Go Toトラベルの割引を活用していくつかのホテルに宿泊した。その中で大きく感じたことは若者のカップルや夫婦が多く見られたことだ。新型コロナウイルス前は宿泊代金が7万円以上するホテルは、外国人ビジネスパーソンや所得層の高い日本人の宿泊が中心であったが、今は日本人中心で宿泊者の平均年齢も大きく下がっていることを感じた。情報に敏感でGo Toトラベルを最も上手に活用しているのは若者であることを感じた。僅かではあるが高齢者の旅行も戻りつつあるが、新型コロナウイルスの感染を恐れて旅行を控える高齢者が多い状況は続いており、20代~40代がGo Toトラベルを支えていると言ってもいいだろう。

 逆に1泊1万円以下のホテル・旅館などは苦戦しており、出張需要の取り込みを期待している中で、11月6日予約販売分よりビジネス出張を目的とする旅行商品は除外されたことで、高価格帯の宿泊施設との恩恵の差が更に広がっている状況になっている。

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