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「バイデノミクス」に死角? 4つのチェックポイント

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新型コロナ対策、過度の制限で米景気腰折れ

 足元で景気腰折れのリスクが高いのは、増税よりも国内の新型コロナ対策を誤った場合だろう。第3のチェックポイントになる。米国の感染者数は1000万人を突破し全世界の約2割を占める。足元では連日10万人を超えているという。トランプ氏に比べ、バイデン氏は新型コロナ対策を重視する立場をアピールし、世界保健機関(WHO)復帰も準備する。ロックダウン(都市封鎖)の権限を持つのは各州だが、新政権の意向を推量する可能性は少なくない。一方、米製薬大手のファイザーは11月中にも米食品医薬品局(FDA)にワクチン承認を申請するとみられる。橋本氏は「過度に厳しい活動制限は米国経済の回復を大きく下押しする」と懸念を示す。

 最後のチェックポイントは、78歳の新大統領という点だ。バイデン氏が1期4年限りで引退するかもしれないという観測は、大統領選挙中から続いている。バイデン氏の健康状況は当面は問題なさそうだ。しかし第2次世界大戦以降、健康問題などで任期途中に交代した大統領は2人、日本でも5人の首相が退陣した。

 バイデン政権の副大統領となるハリス氏は、「ポスト・バイデン」の最も有力な候補の1人で、サンフランシスコ地方検事、カリフォルニア州司法長官を歴任した法曹界の出身。経済政策では共和党のペンス副大統領との討論会で「トランプ減税の恩恵が上位1%の富裕層と巨大企業に偏っている」と指摘し、経済格差への不満を早期に解消するリベラル色の強い姿勢をにじませたこともある。

 橋本氏は「1期4年あれば経済政策で何らかの時間的な束縛があるとは想定していない」と話す。ハリス氏についても民主党の中でも左派よりむしろ中道派に近いという認識だという。「万一任期途中で大統領が代わったとしても、急激に左派寄りの政策に転換することはないだろう」(橋本氏)と分析している。とはいえ、トップの健康状況はどの組織であっても重要な経営課題のひとつ。注意深く見守りたい。

(松本治人)

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