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米大統領選 混乱長引けば4つの経済リスク

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 史上まれに見る大接戦となった米大統領選は、民主党の「バイデン新大統領」への流れが加速しつつある。他方トランプ大統領は激戦州の再集計要請など法廷闘争に持ち込む構えを示し、結果の確定が大幅にずれ込む可能性が出てきた。米国経済は、新型コロナウイルスの打撃からまだ回復途上にある。政治的な空白から顕在化しかねないリスクを、大和総研の橋本政彦・シニアエコノミストに聞いた。

新型コロナ感染が第1のリスク要因に

 4日の米株式相場は急伸、ダウ工業株30種平均など主要な株価指標は軒並み大きく上げた。しかし本格的な大統領選の影響はこれからだ。「第1のリスクは、新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからないことだ」と橋本氏は指摘する。米国の累計感染者数は世界最多で900万人を超えており、中西部イリノイ州シカゴは10月30日から店内飲食を再び禁止した。7~9月期の米GDP(国内総生産)値は前期比(年率換算)33.1%増と大幅に増加し、けん引役の個人消費も40.7%と寄与したものの、その6割強を占めるサービス消費は、まだコロナ禍前の水準を7.7%下回っている。

 「米国経済の先行きは、回復が遅れているサービス消費の影響が大きい」と橋本氏はみる。特に深刻な落ち込みの娯楽サービス、輸送サービス、外食・宿泊サービスの3分野は7~9月期でも、それぞれコロナ前水準比マイナス32.4%、同23.3%、同19.5%と振るわなかった。「ヒトとヒトとの接触型サービスがブレーキとなっている。有効な対策を打ち出さない限り本格的な経済活動は難しい」と橋本氏。

 大統領選の決着が遅れれば消費マインドに水を差し、クリスマス商戦での大幅な売上げ減少を心配する声も出ている。橋本氏は「eコマースの普及が進展していることから、クリスマス商戦が景気腰折れの引き金となる可能性は高くない」とみる。しかし2020年末には失業給付の対象拡大・期間延長や給与保護プログラムなどが期限を迎える。「家計への現金給付などが相当程度貯蓄に回っているが、消費能力はいずれ剥落する」と橋本氏は年明け以降の落ち込みに強い懸念を示す。

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