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ESGの本質はリスク管理――投資マネー呼び込む3つのポイント

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トヨタ、OLC…本業通じた取り組み

 ――ESG投資を呼び込みたい企業にとって日常のビジネス活動からかけ離れたものではないのですね。例えばNTTデータの地球の3次元データ「AW3D」は河川の流量データと組み合わせて、豪雨による河川氾濫や洪水のシミュレーションに自治体などで利用されています。

 「『プリウス』で環境と経済価値の両立をはかるトヨタ自動車や顧客に幸せを届けるというオリエンタルランド(OLC)も、同じように本業を通じての社会課題解決に取り組んでいると評価して良いでしょう」

 ――ただ『E』(環境)は数値化しやすいのですが『G』(企業統治)は企業にとっても分かりにくい指標になります。

 「独立社外取締役の実証研究の結果はまちまちです。パフォーマンス向上に寄与し総資産利益率(ROA)が改善するとの分析がある一方、影響がないとする研究もあります」

ESG投資で注目されるDX通じた働き方改革

 ――今後国内のESG投資はどう展開し、投資を受ける企業側のポイントはどこにあるのでしょうか。

 「今回のコロナ禍では、一部のESGスコアで高い評価だった業種に属する銘柄の株価下落率は相対的に小さかったといえます。しかし例外も多かったのです。単純にESG投資だからといって必然的に高いパフォーマンスを生み、リスク耐性を持つわけではないのです」

 「注目されるのでは『S』(社会)です。経団連、GPIF、東京大学はESG投資をモデルに、人工知能(AI)などの活用で社会課題の解決をめざす『ソサエティー5.0』の実現につなげる投資活性化計画を発表しました。社会課題の解決に向けて、企業自身が投資を誘うメッセージを出していくべきだとしたのです」

 「『S』には女性従業員の比率や健康・安全政策、ダイバーシティーまで多くのESGスコアが含まれます。コロナ禍では働き方改革の一環として、デジタルトランスフォーメーションを活用して企業が従業員の勤務体系や生産性をどう改善していくかが大きなポイントでしょう。実はESGインデックスに上位で組み入れられているのはIT企業ばかりです」

(聞き手は松本治人)

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