BizGateリポート/経営

菅政権発足 潮目変わったコロナ禍、政策再検討を 岩村充・早稲田大教授に聞く

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コロナ禍で「ご託宣」待つだけでは負け組に

  ――これからのウィズコロナ時代の経営トップの課題は何でしょうか。

 「第一に独自の情報網を構築して国際的な状況の把握に注力することです。国境を閉ざしていることの影響もあってか、コロナ禍には世界的に大きな地域差が出てきているようです。日本では『欧米』と一括りにされることが多いのですが、死者数や重症者数を抑え込みつつある欧州とそれができていない米国とでは、現状で非常に大きな差が出ています」

 「そうした変化の中で国内事情に目を奪われているかのような、政府や一部の専門家のご託宣を待っているだけでは、日本企業は負け組になりかねません。必要なのは、国別地域別のリスク判断をより緻密に行うことです」

 「第二は、新しい企業の求心力をカネではなくヒトをベースに考える方向へと、経営におけるパラダイムをシフトさせることです。現代の株主資本主義は、重厚長大産業が経済の中心になった19世紀後半から20世紀にかけて世界標準になったものです。しかし、GAFAのような企業の台頭が示すものは、人々の知的なつながりが企業の本質になりつつあることを示しています。感染症対策のために普及したテレワークは、その流れを一気に加速するでしょう。

 「そうしたパラダイムシフトを理解しなければ、その企業は衰えていくでしょう。株主の方だけしか見ない経営は、長期的には株主のためにもならないのです。ウィズコロナ時代には株主に選任された取締役を頂点とする上意下達型組織から、従業員の自律性を尊重する分散型組織への転換が、企業の成長力を維持することにつながります」

(聞き手は松本治人)

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