日経SDGsフォーラム

リースはSDGsそのもの 持続可能な社会インフラ 主体的に構築

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リース会社はSDGs(持続可能な開発目標)との親和性が高い。リデュース、リユース、リサイクルの「3R」が事業の中核にあるからだ。コロナショックを経て、世の中が企業に社会貢献を求める機運が高まるなかで、リース業界は持続可能な社会インフラの構築に主体的に携わる「リース2.0」の道を歩み始めている。

地方創生やEV 幅広く社会貢献

グローバル化とIT(情報技術)化をテコに急成長を遂げた世界経済の熱気を一瞬にして凍らせたコロナショック。突如訪れた危機に世界は動揺し、米中対立などの保護主義的な動きが台頭した。重苦しい空気が漂うなかで、にわかに熱を帯びたのが世界共通の価値観や課題解決の実現を求める新潮流、SDGsだ。リース会社はその基盤となる社会インフラを築くうえで重要な役割を担う。

経済活動を機能停止に追い込んだコロナショックは、企業に対する人々の視点を大きく変えた。株式市場ではいま、株主優先の近視眼的な利益至上主義よりも、顧客や従業員、地域、環境などのステークホルダー(利害関係者)に配慮する企業の評価が一段と高まっている。SDGsを重視し、あらゆるステークホルダーに目配りできる企業には優秀な人材が集まり、経営理念に共感する投資家は突然の危機でも簡単に株を手放さないからだ。

もともとリース会社の事業モデルは、SDGsとの親和性が高かった。オフィスに配備するパソコンなどの情報機器はリースが主体。長く使える自動車や航空機は中古市場が確立し、エンジンや機体などの部品の再利用も進む。リースは持続可能な循環型ビジネスそのものといえる。

そんなリース会社も、ポストコロナ時代には新たなステップが必要になる。人々がSDGsへの期待を高めるほど、より幅広い分野での社会貢献を求められるからだ。リース会社が培った循環型ビジネスは、低炭素化や地方創生といった持続可能な社会インフラの構築でも重要な役割を担う。それは「リース2.0」時代の到来といってもいい。

リースの先には、再生可能エネルギー設備や電気自動車(EV)、医療・介護ロボット、農業機械、リゾート施設など、持続可能な社会を築くための新たな領域が待ち構える。それは国内にとどまらず、世界に広がっているはずだ。例えば新興国で再生可能エネルギーを普及させる場合、これまで培った技術や知見を最大限に生かすため、単に施設や機器を貸すだけでなく、現地企業との提携や買収を通じて主体的に携わる選択肢も出てくる。

SDGsの普及につれ、リースがかかわる領域はさらに広がる。そしてリースが切り開く道は世界が超えるべき課題でもある。

(編集委員 小栗太)

必要なサービス、貸すだけでなく提供――

私たちの事業形態はSDGsの実現そのものであり、社会インフラとしてのリース会社という祖業の理念が根づいています。ただ社会インフラという大きな事業は、自分たちだけではできません。だから有力なパートナー企業と協力しながら取り組んできました。言い換えれば、私たちはメインディッシュをおいしくする香辛料のように、事業をより良く引き立てる役割を担っています。

では、私たちの事業モデルを生かせる社会インフラとは何でしょうか。行き着いた解の1つが「二国間クレジット制度」を使った東南アジアでの太陽光発電事業です。この制度は新興国に低炭素技術を提供して二酸化炭素(CO2)を減らし、日本の排出量削減への貢献を目指すもので、「環境事業への高い知見」「グローバルなネットワーク」「事業を長年続けられるマネジメント力」の資質が必須です。SDGsを重視し、パートナー企業と協力して取り組む私たちの事業モデルには最適でした。

2019年に台風15号が千葉県を襲ったときには、NTTなどと協力してリース車両の電気自動車(EV)を被災地に持ち込み、高齢者施設や児童養護施設に電源を供給しました。実は、18年の北海道胆振東部地震でEVが役立ったという話を聞き、事前に非常用電源としてのEV活用の社内講習会を開いていたことが迅速な対応につながりました。SDGsの意識が社内に根づいてきたことを実感できたエピソードです。

16年には社名から「リース」という言葉を外しました。背景にあるのは、モノを貸すだけのリース業ではなく、社会から必要とされるサービスを提供し続ける会社でありたいという思いです。

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