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半沢85点、大和田65点、渡真利88点…「半沢直樹」の怒り管理術 戸田久実・日本アンガーマネジメント協会理事に聞く(上)

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 堺雅人さん演じる半沢は85点、香川照之さんの大和田は65点で落第、意外に高いのが及川光博さん演じる渡真利の88点――。TBS系の人気ドラマ「半沢直樹」(2013年放送)を令和のビジネス職場として、アンガーマネジメントの観点からみると、こうした採点になる。ドラマではなく実際の職場で起きたと仮定すれば、怒りや憎しみの感情を明け透けにあらわしすぎている場合があるからだ。パワーハラスメント防止法(改正労働施策総合推進法)が6月にスタートしたばかり。怒りの感情をパワハラにつなげないためにはどうすればよいか。日本アンガーマネジメント協会理事の戸田久実アドット・コミュニケーション代表に人気ドラマのキャラクターを例に話を聞いた。

半沢直樹はギリギリ合格点、怒りをパワーに

 「半沢直樹」は、ミリオンセラー作家・池井戸潤さんの小説をもとにドラマ化している。2013年放送のシリーズでは、メガバンクで中間管理職の半沢直樹が、上司と対立しながら不正を暴き、窮地に陥った銀行を間一髪で救った。「やられたらやり返す。倍返しだ!」のせりふは流行語にもなった。今年7月から放送中の続編は、証券会社に出向した半沢が新たなトラブルに巻き込まれる。視聴率は初回から右肩上がりに増え、8月2日放送の第3話では、平均世帯視聴率が23.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と今年放送のドラマで最高を記録した。

 アンガーマネジメントは、1970年代に米国で始まった怒りと上手に付き合うための心理トレーニングだ。85点以上を合格点とした場合、主人公の半沢は「ギリギリ合格の85点」と戸田さんは採点する。ほかの人ならば、ぐっと飲み込む心の声も、半沢は遠慮なく口に出す。日本社会では怒りを抑えた「平常心」「明鏡止水」が尊ばれる。しかし、実は怒りが問題なのではない。

 戸田さんは「アンガーマネジメントを効果的に運用すれば、怒りを建設的な行動を呼び起こすパワーとして使うことができる」と指摘する。怒りは、ほかの感情よりパワーが大きいとされる。かつて青色ダイオードを発明した中村修二さんは、ノーベル物理学賞を受賞しインタビューで「私の原動力は怒りだった」と答えたことがある。堺雅人演じるTVドラマの中の半沢も、まさにそうだ。親会社の理不尽な振る舞いへの怒りをエネルギーに、形勢逆転の道を追求していく。

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