アフターコロナの働き方

テレワークで女性の正社員化加速 男性の働き方も変える 同志社大学政策学部教授 太田 肇

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 夫婦ともに正社員なら片方の収入が比較的低くても生活できるので、職業やキャリアの選択肢が広がる。給与は高くないがやりがいのある仕事に就き、自分らしい職業生活を送ろうとする人が増えてくるだろう。また失業のリスクをそれほど恐れなくなり、思い切った起業や転職にチャレンジする人も増えると予想される。

 いっぽう会社としては、社員がいつ辞めるかわからないという緊張感を常に持ち続けなければならなくなる。社員に無理な要求をしたり劣悪な条件で働かせたりできないし、夫婦ともに正社員として働くようになれば、転居をともなうような転勤を命じることはいっそう難しくなる。

 これらの変化が高い確度で生じることは、すでに夫婦とも正社員で働くのが当たり前になっている諸外国の例を見ればわかるはずだ。そしてわが国でも、若手の人材を中心に変化の兆しが見られる。テレワークの普及による女性の活躍推進が、日本の雇用システム全体を揺るがすというところまで視野に入れておかなければならない。

太田肇(おおた・はじめ)
同志社大学政策学部・同大学院総合政策科学研究科教授。神戸大学大学院経営学研究科修了。経済学博士。専門は組織論、とくに「個人を生かす組織」について研究。元日本労務学会副会長。組織学会賞、経営科学文献賞、中小企業研究奨励賞本賞などを受賞。『「承認欲求」の呪縛』(新潮新書)、『「ネコ型」人間の時代』(平凡社新書)、『公務員革命』(ちくま新書)、『「見せかけの勤勉」の正体』(PHP研究所)、『個人尊重の組織論』(中公新書)、近著に『「超」働き方改革』(ちくま新書)など著書多数。

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