BizGateリポート/経営

「統合報告書」から読み解くSDGsに貢献する生き残り企業 ビジネスパーソンが統合報告書を読み解く5つのポイント

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

 withコロナの時代、果たしてどのような企業が生き残り、活躍するのでしょうか? こうした疑問に対する答えのヒントを、実は既に多くの企業が自ら発信しているのをご存じでしょうか?

 それは「統合報告書」と呼ばれるもので、自社の事業内容や存在意義、優位性、今後の成長戦略などの情報が詰まっています。統合報告書を発行する企業は、特に日本で増え続けており、既に500社を超える日本企業が発行していると言われます。

 ここでは、この統合報告書を使った「withコロナ時代に生き残る企業の見分け方」のヒントについて考えてみましょう。

 コロナショックで浮き彫りになった「企業の考え方」の違い

 コロナショックが企業に及ぼす影響には、計り知れないものがあります。

 経済活動の停滞による業績不振に加え、経営のかじ取りをする経営者の価値判断にも大きな影響を及ぼし始めています。

 一方で、コロナショックに対する企業の対応には大きなバラツキが見られるように思います。自社の業績への影響を、とにかく最小限に抑えるべく手を尽くす企業、世の中が大きく変わるなかで、むしろ変化の中にこそ新たなビジネスチャンスがあると捉え、それを探し出そうとする企業、自社の社会的責任を自覚し、利益度外視で社会のために貢献しようとする企業など、その対応はさまざまです。そこにはコロナショックに対するそれぞれの経営者の意識の違いが如実に表れています。

 それぞれの企業は一体、どこに向かっているのでしょうか? withコロナの時代には、私たちはどのような企業を信頼し、付き合うべきなのでしょうか?

 なぜ今、多くの人が企業を見極めようとするのか?

 コロナショックを受けて、私たち生活者が企業を見る目も大きく変わりはじめています。

 この半年、「人の命と経済活動を回すことのどちらが大切なのか」といった議論が繰り返されるなかで、目先の利益を度外視して社会に尽くそうとする企業の誠実な姿勢や、これまでの蓄えを切り崩してまで雇用を必死に守ろうとする、強い責任感を持って行動する個人経営者の方々の姿勢が人々の共感を呼ぶようになりました。そのすべてがコロナショックに端を発する動きというわけではありませんが、こうした企業や経営者に共感し、その気持ちを消費行動で示そうとする生活者は、withコロナの世界においてさらに増えるのではないかとの見方もあります。「エシカル消費」と言われる人や社会・環境に配慮した消費行動へのさらなる傾注も、そうした動きの一つです。

 企業活動に目を向ける生活者が増えてきたもう一つの背景としては「SDGs(持続可能な開発目標)」の浸透があります。地球規模の課題解決に向けて2015年に国連サミットが採択したSDGsへの共感は、最近では企業や自治体のみならず、個人にまで裾野が広がっています。例えば2020年度から本格実施を迎えた新学習指導要領では「持続可能な社会の創り手の育成」が明記され、SDGsは学校教育のなかに本格的に組み込まれました。また既に多くの学生は就職先の選定に際して、SDGsに真摯に取り組む企業を選好するようになっています。最近では、企業が発行する「統合報告書」などを熟読し、その企業が社会・環境課題とどう向き合っているのかを見極めようとする学生も少なくありません。

 withコロナの時代で生き残る企業を「統合報告書」で見極めよう

 企業の「統合報告書」の多くは、主に長期志向の投資家に対して自社の価値や持続可能性を説得する目的で編集・発行されるのですが、実はこの統合報告書から、生活者や学生目線で企業の進む方向やその道の確からしさを読み取ることが可能なのです。言い換えれば統合報告書は、「withコロナの世界で生き残る企業」「SDGsに真に貢献する企業」を見極めるための情報が詰まった優れた情報源として捉えることができるのです。

 とはいえ、多くの統合報告書は生活者、学生にとっては少々難解で読み進めにくいことや、それぞれの企業によって紙面構成が大きく異なるため、必要な情報を探しにくいといった難点があります。長期志向の投資家向けであるがゆえに、彼らにとって理解しやすい言葉や文脈が採用されているのがその理由です。

 そんな統合報告書ですが、少しでも理解が深まるよう、一般の方が読み解くうえで重要な「5つのポイント」を紹介します。

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。