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指示待ちが危ない 「8月病」防ぐ3つの対策 鈴木安名・産業保健メンタルヘルス研究会代表理事に聞く(4)

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 ZOOMは得意だが外線電話が苦手、競争するより助け合いたい――。今年の新入社員にはそんなイメージが浮かんでくる。新型コロナウイルスの影響で職場への配属が遅れ、例年の「5月病」に代わって「8月病」がこれから流行するかもしれない。産業保健メンタルヘルス研究会の鈴木安名・代表理事は「自社のイメージをまだつかみ切れていない新人も多く、配属後3カ月間は7つのチェックポイントと3つの対策でフォローしたい」と説く。

 ベテラン産業医の経験から鈴木氏は(1)欠勤・遅刻(2)人事担当者に不安を伝える(3)課題処理に着手できない(4)新人としてもあり得ないミス(5)一時的な行方不明などのトラブル(6)辞めたいと言い出す――などを5月病の特徴に挙げる。一般にメンタル不調に陥りやすい社員は(a)仕事の意欲に欠ける指示待ちタイプ(b)人間関係の好き嫌いを仕事に持ち込む愛憎タイプ(c)計画性に欠けるマネジメント下手タイプ――と3タイプが多いという。「指示待ちタイプは最近急速に増えており、これまでも一番5月病にかかりやすいタイプだ」と鈴木氏。

 リクルートマネジメントソリューションズ(東京・品川)の新入社員調査では、職場に求める特徴の最多は「助け合う」で68%を占め、前年比8ポイント増、10年前比では20ポイント増加した。一方で「過度な干渉がなく、自分のスタイルで自由に動く」はポイントが低かったという。組織の和を重んじるのが2020年組の特徴だ。ただし、自分から動かず受け身に回る新人には、上司・先輩として少し注意した方が良いかも知れない。

 鈴木氏は「指示待ちタイプ」を見分けるチェックポイントとして(1)仕事へのモチベーションが低い(2)仕事以前の社会習慣が身についていない(3)報告・連絡・相談がなく自己主張もない(4)言い訳はうまい(5)本当にやりたいことが分かっていない(6)失敗経験に乏しい(7)親に誘導された職業選択――の7点を挙げる。いわゆる「ゆとり教育」に原因を求める声もあるが違うという。「親の育て方が過干渉になったために生じた人材だ」と鈴木氏はみる。

 少子化の時代、親は子供の将来が良くなるように過度にコントロールするようになる。何でも親が先回りしてやってくれるので、苦労した後の達成感を経験することなく育ち、仕事にやりがいを持ちづらい。問題解決能力とストレス耐性が低いかわりに「なぜしないの!」と幼児の頃から言われてきたので言い訳はうまい。社会に出て同僚らと交流することで本能としての自立心が芽生えるものの、意思決定も親が代行してきたので、本当になりたいものが分からない。

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