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「コロナうつ」気をつけたい3タイプ 管理職7つの心得 鈴木安名・産業保健メンタルヘルス研究会代表理事に聞く(1)

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(3)気をつけておきたい部下の3タイプ

 ――テレワークが普及し、社員のメンタル面の調子は、いよいよ把握しづらくなっています。今できる対策は。

 「管理職は部下の個別的側面を把握しておくのが重要です。産業医の経験からすれば、労働時間と適性配置でうつ病の発症と休職はかなり減少させられます」

 「仕事の能力に関係なく、協調性に欠ける社員にメンタル不調のケースが多くみられます。一般的には(1)計画性に欠けマルチタスクで混乱するマネジメント下手系(2)人間関係の好き嫌いを仕事に持ち込みチームワークを損なう愛憎系(3)仕事の目標を理解できず意欲に欠ける指示待ち系――の社員がメンタル不調に陥りやすい傾向にあります。2つの特徴を兼ね備えるケースも少なくありません」

 ――テレワークだと職場で同僚と顔を合わせる機会が減るので、愛憎系の社員がメンタル不調になるケースは自然に減少しそうですが。

 「思い込みは危険ですよ。対人恐怖のある愛憎系では、自己主張がより多くなり結果的に社員間のトラブルが顕在化する可能性があります」

(4)職場への復帰は月曜でなく週の半ばから

 ――休職中にコロナ禍が起こった場合には、復職のタイミングをどう考えますか。

 「賃金支払いのない『試し出勤』を導入し、比較的簡単な作業をさせて、その成果をみるのが効果的です。出社させる場合は月曜日ではなく、週の半ばからが良いでしょう。復職の当初は出勤3日目くらいから疲労がたまることが多いのです」

 「テレワークは、能力の有無を顕在化させるツールとみてもいいでしょう。最近では、復職直後にコロナ感染拡大でテレワーク勤務に移行した機械設計のエンジニアが、期待以上に成果を出したケースもありました。」

(5)管理職の自己防衛は先ず「睡眠」

 ――管理職層の負担が増えています。自分を守るためには、どういう点に注意すべきでしょうか。

 「当然ながら生活習慣の維持が第一です。さらに優先すべきは睡眠の質と量の確保です。アルコールは睡眠の質を悪化させるので寝る前の3時間は禁酒です。個人差が大きいが起床後の2時間以内に強い眠気やだるさがある場合は、寝不足のサインと注意すべきです」

 「さらに、休日の寝だめは要注意です。寝だめをせざるを得ない人は、メンタル不調予備軍なので平日の仮眠で補うことを考えましょう。午後3時までの30分以内の仮眠は仕事の能率アップにつながります」

(6)自分を自分で褒めるつぶやきは立派な行動療法

 ――精神面では心がけるべきは何でしょうか。

 「日々が辛いときは、明日や将来のことは考えないことです。メンタルヘルスの原則に「NOW,HERE=(今、ここ)というのがあります。将来のことは誰にも分かりません」

 「1日の終わりには『今日も頑張ったぞ』とか『これでよいのだ』と自分自身に語りかけるのも効果的です。自分の耳に聞こえるようにつぶやくのは子供だましではなく、行動療法という立派なストレス対策の一つです」

(7)ウィズコロナの時代こそ「報連相」の徹底を

 「管理職は上級管理職への『報・連・相』を行い、チームワークによる自分自身の能力拡大を目指すと良いでしょう。部長や部門長などもまたコロナ禍以降の不況で不安や焦りを感じているから、報連相を行う管理職が好まれます」

(聞き手は松本治人)

※本連載は当初の「上下」2回から回数を増やしました。そのため、この記事を従来の(上)から(1)に変更しました。

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