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叱責メールに注意 テレワーク時のパワハラどう防ぐ? 特定社会保険労務士・北岡大介氏に聞く

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 (5)セカンド・パワハラを見逃すな 「ただちに該当しなくとも会社への相談に適切に対応せず、長期間放置しておくとパワハラに転化する、セカンド・パワハラは見過ごされることが多い」と北岡氏。さらにテレワーク勤務が普及しつつある現在、従業員が頻繁に相談窓口を利用することも難しくなりつつある。「パワハラの訴えが生じたこと自体、背景として職場内のコミュニケーションや上司の指導方法に課題がある可能性を把握しておきたい」と北岡氏は話す。適正な業務目標の設定や人事配置などを検討したいという。

「新型コロナが怖いので出社しません」はアリ?

 (6)コロナハラスメントへの対応 新型コロナの第2波が懸念されている。「感染が怖いので出社しません」は論外に思えるが、実はそうではない。漠然とした不安の場合は労働契約上、原則として出社を命じることができる。一方、「重症化する可能性のある持病を本人、または家族が持っているなどの具体的な説明があった場合は在宅勤務に切り替えるなどを検討すべきだ」と北岡氏は話す。

 今回のコロナ禍は、感染者や感染リスクのある仕事に就く人たちが理不尽な差別を受けるコロナハラスメントも生んだ。PCR検査で陽性と判断され入院し、2週間後に完治し退院、職場復帰した人が「近寄らないで」と忌避されるケースはどうか。北岡氏は「全く不合理な対応であり、会社としてやめさせ、他の職場にも正しい対応を告知する必要がある」としている。

 (7)中小企業経営者が準備すべきこと 製造業で資本金が3億円以下、従業員数300人以下と規定される中小企業に、改正法が施行されるのは22年4月からだ。現在は努力目標にとどまっている。約2年の準備期間をどう活用すべきか。「パワハラの具体的な内容に大手、中小の区別があるわけではない」と北岡氏。ただ中小の場合は、経営トップと従業員との間の濃厚な人間関係が、かえってマイナス行為に働くケースもあるという。改正法で社内のパワハラ行為を是正すべき立場にある経営者本人を、チェックできる体勢づくりが必要になる。「あらかじめ外部の弁護士らを迎えたり、従業員とのコミュニケーションを経営トップ自ら見直すなどしておくべきだ」と北岡氏は指摘している。

(松本治人)

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