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叱責メールに注意 テレワーク時のパワハラどう防ぐ? 特定社会保険労務士・北岡大介氏に聞く

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 しかし問題は簡単ではない。部下の勤務状況を把握するため、上司がビデオ会議システムを常時稼働させるなどのケースも出てくる。「プライバシー侵害のパワハラと即断することはできない」と北岡氏は指摘する。カギは要件の「業務上必要かつ相当の範囲かどうか」だ。常時監視することで、本当に生産性が向上するかどうかの検証も必要になってくる。「テレワーク勤務でパワハラを避けるために重要なのは、管理職が個々の部下ときめ細かいコミュニケーションを取れていることだ」と北岡氏は話す。

 (3)「ジョブ型」移行でも可能性 テレワークの普及は、パワハラ問題をより複雑化させる一面もありそうだ。例えば日本流の「メンバーシップ型」から欧米流の「ジョブ型」雇用への移行。すでに電機大手などが本格的に取り組んでいる。しかし北岡氏は「目に見える成果を拙速に重視するあまり、上司がパワハラ的な厳しい言動をする恐れがある」と指摘する。実際、ジョブ型雇用を採用している外資系企業でも、パワハラ行為は生じているという。

 (4)特に気をつけたい40~50代 北岡氏は「テレワーク勤務で40~50代の管理職が、異なる環境・企業文化で育った20~30代の部下に指示するときは一層の注意深さが求められる」と警告する。部下の指導や時には叱責は、上司の職責の1つだ。しかし過去の判例で、裁判所はケースバイケースで判断している。指導目的が業務上正当であることを認定しても、その態様に問題があれば、上司の業務命令権の違法性を指摘される。テレワークで、企画書の内容や形式を何度指示しても部下が従わないといったケースはどうすべきか。「注意、指導、叱責のメールを送る前に一呼吸して文言などの内容を確認したい」と北岡氏。

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