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コロナ後 賃上げこそ企業成長の原動力 山田久・日本総合研究所副理事長に聞く(下)

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 新型コロナウイルスのワクチン開発を巡り、各国間の競争が激化している。トランプ米大統領は官民を挙げて新型コロナウイルスのワクチン開発を加速する新戦略をぶち上げた。中国も新薬の研究開発力を飛躍的に高めている。日本総合研究所の山田久副理事長は「ウィズコロナ段階の現時点から、次のポストコロナ時代へ向け経営資源のシフトを進めるべきだ」と強調する。さらに企業の収益性を持続させる経営手法として、従業員の賃上げをテコにした成長戦略を提唱している。

 ――日本経済がニューノーマル(新常態)へ向け徐々に進んでいます。東京都では新規感染者数が2桁の日が続いているものの、政府は19日に夜の繁華街で接待を伴う飲食店など3業種への営業自粛要請を解除します。安倍晋三首相も、米国が開発を進める新型コロナのワクチンについて「すごく早ければ年末に接種できるようになるかもしれない。日本も確保できるよう交渉している」と表明しました。

 「感染症の拡大を警戒しつつ、日本の産業構造や企業のあり方、雇用情勢などが大きく変わっていくのは確実です。『半値戻し経済』のウィズコロナ時代から、自社の経営資源を新分野に移していくことが、収束後の成長力を決定づけることになるでしょう」

――次の段階のポストコロナ経済では消費や市場の構造が変わり、ビジネスモデルの改革を怠れば企業の存続にもかかわってくるわけですね。

 「第1にオンライン化・デジタル化が加速します。オンライン販売・決済の利便性が多くの消費者に実感されました。それに伴いマーケティングや物流のあり方も変わるでしょう。さらにリモートワークが普及したことで、タイムマネジメントの能力が求められるようになります。社内より社外とのつながりが促され副業、転職、フリーランスも活発化するでしょう。労働市場の流動性も高まります」

 「第2に医療・衛生分野で国内の供給体制の強化に向けたヒト、モノ、カネの集中が予想されます。今回の経験で、マスクの自給率の低さや医療装備品の海外依存度がクローズアップされました。機能的でレベルの高い医療態勢の構築はもはや国民的なコンセンサスでしょう。国内のニーズだけでなく、高齢化が進むアジア地域に向けての市場拡大も期待できます。大手・中小企業ともに、こうした変化を時々刻々見据えておくことが大事です」

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