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従業員シェア コロナ時代のイノベーション契機に 山田久・日本総合研究所副理事長に聞く(上)

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 緊急事態宣言の解除で「ウィズコロナ」時代の新しい日常がスタートして2週間。新型コロナウイルスの感染拡大で被った経済的な打撃の大きさが改めて明らかになってきている。企業の業績は落ち込んだままで、雇用情勢の悪化も顕在化しつつある。新型コロナ流行の第2波、第3波も懸念材料だ。日本経済が日々厳しさを増す中、今最も必要とされている経営戦略は何か。日本総合研究所の山田久副理事長は「シェアリング型一時雇用」を駆使してウィズコロナ時代を乗り切ることを提唱する。

「半値戻しの経済」での持久戦への対応が必要

 ――新型コロナは足元で収束傾向にあり、自粛していた大型エンターテインメント施設なども、一部営業を再開しました。しかし人々の往来は完全には戻っておらず、本格的な経済活動はまだ望めない状況です。

 「世界中に広がった新型コロナの強い感染力と潜伏期間、有効なワクチンがまだ開発されていない状況では、経済回復は行きつ戻りつを繰り返す持久戦とならざるを得ません。コロナショック以前のレベルには当面戻らない『半値戻しの経済』が続くとみるべきです」

 ――新型コロナへの追加対策を盛り込んだ総額約32兆円の今年度第2次補正予算案は、今週中にも成立する見通しです。

 「かねて保険的な意味合いを込めて緊急安定化基金の用意を提案してきましたが、その意味で10兆円の予備費が計上されたことは前向きにとらえています。十分な資金の手当で、事態が長期化しても万全の備えがあることを国民と企業に示し、先行き不安の増幅で経済のスパイラル的な悪化を防ぐことが急務です」

 「しかし限られた財源を有効に活用するには、有効性を検証しつつ、いったん打ち出した政策でもその効果が低いことが分かれば中止する、という柔軟性を持つことが肝要です」

 「企業が現在取り組むべき経営戦略は、まずウィズコロナでは可能な限りの経営資源の有効活用、続いてポストコロナに向けての経営資源のシフトです」

従業員シェア、業界またぐ連携不可欠

 ――「シェアリング型一時雇用」は人件費など固定費の負担に苦しむ企業にとって注目度の高い施策です。

 「稼働率が大幅に低下して休業を余儀なくされた企業や店舗の従業員を、人手不足が続く業界と『シェア』することで労働力のミスマッチを解消する狙いです。雇用関係は維持されたままとして、事態の収束後は元の会社に復帰することが前提です」

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