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コロナ後の経済 デジタル・ニューディールが処方箋 宿輪純一・帝京大学経済学部教授に聞く

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デジタル化を次代のインフラ整備ととらえよ

 ――国民一人あたり10万円という特別定額給付金や、中小企業・個人事業主を対象とした支援など、政府の経済対策をどう評価しますか。

 「人命を守る医療と同じく、経済全体にとっても短期的に『輸血』と同じで、絶対に必要な措置だ。応急措置は必要だが、さらに中長期的に経済を再び成長軌道にもっていくために、今後の経済対策としてはデジタル化にシフトしていくしかないだろう。コロナ感染を機に導入が広がったテレワークやオンラインによる教育などだ。コロナ感染前から計画された施策ではあるが、これを機に一気にギアを上げて、進めていく時だ。かつてニューディール政策は公共事業で需要を創出して経済危機を乗り越えようとしたが、今こそ、デジタル化を推進する環境をある種のインフラの整備を進め、デジタル・ニューディールを加速すべきだろう。通信の高速大容量化や、サイバーセキュリティーへの対策も重要だ。例えば、企業や行政などではハンコのいらない電子認証(契約)など、長年染まり続けたペーパー文化を変える施策も求められるだろう。これは単なるバラマキや経営資源のヒト・モノ・カネ・時間などのコストカットだけでなく、商品・サービスや経営の高度化をもたらす。政府のデジタル化は日本最大組織である『政府』のデジタル化であり、日本企業の手本となるべきだ」

 ――日本経済の先行きをどうみますか。

 「2020年1~3月期の国内総生産(GDP)を100とすると、同年4~6月期は2割ほど落ち込むだろう。政府や企業が中心となってデジタル化の推進に大きくかじをきることで、1年後の21年4~6月期のGDPを20年1~3月期と比べて1割程度回復できるのではないかと想定している。反対に何も対策を講じないとするならば、1割減と沈んだままになるのではないか。経済立て直しの処方箋はデジタル化をいかに進めていくかだ」

(聞き手は白山雅弘)

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