BizGateリポート/経営

テレワーク 導入企業の9割「運用に課題」 日経OFFICE PASS調査

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

 新型コロナウイルスの感染拡大を契機に注目を集めたテレワーク。テレワークや在宅勤務を実施している従業員300人以上の「大企業」の担当者の9割超が運用面で課題を感じていることが、日本経済新聞社OFFICE PASSの調査で明らかになった。紙文化が浸透した慣習を背景に重要文書の押印でやむなく出社したり、社外に持ち出すパソコンなどのリモート機器を使った在宅での作業環境が不十分であったりすることなどを理由に挙げる。テレワークを実施していると答えた「大企業」のうち、今回初めて全社員にテレワークを拡大したと回答した企業も42%おり、コロナ後を見据えた新しい働き方として、期待と課題が浮き彫りになっている。

 調査は、シェアオフィスやコワーキングスペースをインターネットで仲介する「日本経済新聞社OFFICE PASS」事務局が実施。3月27日から4月10日の期間、インターネットによるアンケート調査で、役員ら管理職を中心に1939人から有効回答を得た。

 調査では「社員への在宅勤務やテレワークの要請・推奨」を実施したと回答した企業が全体で72%あった。このうち、大企業(従業員300人以上)は88%あったのに対し、中小企業(同300人未満)も49%に上った。今回初めてテレワークを実施したと回答した企業は46%。すでにテレワークを実施していると答えた企業のうち42%が、初めて対象者を全社員に拡大した、としている。

 新型コロナウイルス感染拡大を受けて外出自粛が求められ、在宅勤務シフトが加速した実態がうかがえる。

 テレワークや在宅勤務を実施する企業からの回答のうち、大企業で91%、中小企業の71%の担当者が運用面で課題を感じていると答えた。

<在宅勤務・テレワークを運用するなかで感じている課題>

 理由を複数回答で聞いたところ、大企業で最も多かった(56%)のが「押印作業など紙を前提としたワークフローが存在しているため、出社して業務をせざるを得ない状況がある」と回答。次いで「執務場所が自宅になると生産性が落ちる社員がいる」(46%)、「持ち出し可能なPCやリモートで業務を行うためのシステム・ツールの導入が不十分であるため、在宅勤務ができない社員がいる」(44%)などの順だった。紙文書へのハンコ文化に加え、リモート業務のスキルの習熟度、作業環境の整備が不十分であるとの懸念を感じているようだ。

 新型コロナ感染を契機に、半ば準備が不十分なまま広がった感のあるテレワークや在宅勤務。コロナ後を見据え、オンラインを活用した新しい働き方として定着するまでには、もうしばらく時間がかかるのかもしれない。

(白山雅弘)

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。