しかし、新型コロナ禍が収束した後にどんな働き方をしたいか聞いたところ、「テレワーク中心にオフィスでも働く」が35.1%、「テレワークだけで働く」が3.9%とテレワーク中心の働き方をしたい人が39.0%に達した(表4)。オンライン会議などデジタル技術を通じたコミュニケーションに慣れたた若い世代が多いのはもちろんだが、60代以上でも一定数が「テレワーク中心に働きたい」と回答したのは、通勤などの負担が軽減されるためとみられる。シニア層の雇用促進をはかる企業にとっては考慮したいポイントだ。一方、従来主流だった、「オフィスだけ」は全体の7.5%にとどまった。
<表4 新型コロナ禍収束後にどんな働き方をしたいか>
テレワークの評価が足元で相対的に低い結果だったにもかかわらず、「オフィス中心にテレワークでも働きたい」まで含めれば9割の人がテレワークを継続したいと考えている背景にはなにがあるのか?自由回答からみてみると、今回の一斉テレワークであぶりだされた課題を解決すれば、今後の生産性向上やストレス軽減につながるといった期待があると同時に、多様な働き方加速のきっかけににしたいと考える人が多いためとみられる。
「出社が前提の部署のペーパーレス化、印鑑レス化、社内決裁フローの見直しなど多くの課題が期せずしてあぶり出されたことで各部門における最適な人員の配置、業務の進め方など今後社内業務改革を行う上での重要なヒントがたくさん見つかった。業務の進め方を変えていくきっかけになった」(50代男性、大企業)
「テレワークで進められる業務はまだ少ないが、テレワークが継続できるように業務の進め方を変える」(40代男性、中堅企業)
「今後の技術向上で、よりアクティブでインタラクティブなテレワークができることに期待」(40代男性、大企業)
新型コロナ禍が日本の働き方を名実ともに大きく変えるきっかけになるのは間違いなさそうだ。
(町田猛)
※テレワークした人・しなかった人から寄せられたコメントの抜粋を5月15日発行の日経BizGateメールマガジンで紹介します。