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内部留保・長期雇用は強み コロナ禍で「日本型経営」再評価 岩村充・早大大学院教授に聞く

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 ――日銀も3年8カ月ぶりとなる追加の金融緩和策を決めました。上場投資信託(ETF)の購入枠を当面、現在の年間約6兆円から約12兆円に増やし、不動産投資信託の購入も倍増します。

 「残念ながら、日銀ができることは多くない。すでに金利が十分低いので、これ以上は下げられない」

「コロナ以前には戻れず経済のルール変わる」

 ――岩村教授は、最低少なくとも3カ月はフリーズド経済が続くとみていますね。企業経営者は新型コロナの収束後にはどう備えておくべきでしょうか。

 「新型コロナの影響はリーマン・ショックの比ではなく、1970年代のニクソンショックやオイルショックと同じ性格だ。国際経済や企業経営のルールが大きく変わり、もう以前には戻れない。一気に普及したテレワークや遠隔会議なども、ビジネスや金融の現場を大きく変えるだろう」

 ――新型コロナの感染で国際的なサプライチェーンの中心だった中国の生産活動が止まったこともあり、グローバル戦略を見直す機運も広がっています。

 「雇用慣行や手厚い内部留保、長期的戦略など日本の経営モデルが再評価される可能性がある。新型コロナの収束後は、企業価値を決める指標に事業の存続性が重視される。足元の業績が好調でも、今回のような事態に対応できない企業には融資しづらい」

 「従業員の確保は何より大切になる。とりわけ中小企業にとって守るべきは信用であり雇用だ」

行き過ぎた「選択と集中」への反省も課題に

 ――自己資本利益率(ROE)の向上や株主還元の充実などが投資の重要な判断材料でした。 日本企業の多くは現金を溜め込んで、設備投資も株主に対して配当還元もしないという外国人投資家らの声は根強いです。

 「経営環境の大変化にも堪えられる内部留保が企業の強さを測るカギになる。行き過ぎた『集中と選択』への反省も今後の大きな経営課題だろう」

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