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「テレワーク中に出社」4割 経理財務の在宅勤務阻む紙の壁

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「デジタル化対応できず」でテレワーク断念77%

 一方テレワークを実施しなかった残り3割の企業では、理由として「請求書や契約書など紙の書類がデジタル化に対応できていない」が77%(複数回答)を占めた。続いて「テレワークを想定した社内ルールや試験を経験していない」は66%、「銀行や監査法人、税理士らとのリモート対応ができない」が59%と続いたという。

 取引先から紙の請求書などが送られれば対応せざるを得ないという答えが目立ったという。同協会の中田清穂・主任研究委員は「押印のデジタル化が必要と感じていても、具体的にどの程度のコスト削減につながるか経営幹部に説明できないとするケースも少なくない」と分析する。その一方で、自然災害など緊急時におけるテレワーク態勢の必要性を96%が感じており、特に69%は「非常に必要」と回答している。平常時でもテレワークの導入・促進についても75%が「やるべき」としている。

 日本CFO協会は「財務業務に関しては、テレワークを進める上での課題が個々の企業に明らかになった」(中田氏)と分析している。同協会は生産性向上ための経理・財務業務のデジタル化を促していきたいとしている。ただ今回の非常事態に対するには、時間的な限界がある。外出の自粛は要請するものの強制ではなく、交通機関も通常通りに機能する。各社はテレワークと社員の出社をどう組み合わせるか、感染状況をきめ細かくみながら対応することになりそうだ。

 同協会では新型コロナの決算・財務業務への影響についても調査した。決算で75%、財務で71%が「影響あり」と回答した。決算関連では「海外拠点・子会社からのデータ収集の遅延」「連結決算、監査対応の遅れ」「業績悪化や将来予測が困難」などが挙げられたという。大手でもTDKやコマツなどが相次ぎ決算発表延期を決めている。財務面への影響では「有価証券の評価減」「資金計画や調達」が上位を占めた。

(松本治人)

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