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新型コロナ 健康経営ベースに長期戦の構えを 経営層のための新型コロナ対策(3) 健康企業代表・医師 亀田高志

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産業医との連携は機能しているか?

 今から20年近く前、外資系企業の産業医をしていた頃に、本国の基準に応じた危機管理対策を行う会議体のメンバーを務めていた。

 対策の準備状況等を話し合う場で、トップの方から「大きな地震があったら、先生もここに留まって頂きますから」と言われた。すべてのメンバーがその責任を負っていたのである。

 法的には事業者に意見具申するだけの立場に飽き足らない気持ちだった筆者は前向きな覚悟を決めたことを覚えている。

 今回の新型コロナの流行に伴う対策の展開で自社の産業医や保健師、健康管理を担当する部署の責任者や担当者との連携はうまくいっているだろうか?

 この点も健康経営優良法人認定基準(大規模法人部門)では鍵となる部分となっている。

3.制度・施策実行→取組の質の確保→専門資格者の関与→産業医又は保健師が健康保持・増進の立案・検討に関与
 1.自社の従業員の健康課題について担当者と協議
 2.中長期的な方針を共同で策定
 3.健康管理の観点から必要な調査審議を求める事を可能にする
 4.現場の労働者からの情報収集など、権限を具体化・明確化
 5.健康保持・増進の取り組みの効果検証に関与している

 健康経営を推進している、とうたっている企業であれば、この3月以降の新型コロナの流行の進展に合わせて、産業医等の専門家との連携でこれらの事項を確実に行っていなければならない。

 もしも不足している事項があれば、早急に会議体を設け、専門家としての見解や課題の提示を求め、対策の立案に関与してもらう必要がある。

 また、同認定基準には次の事柄も示されている。

2.組織体制→経営層の体制→健康づくり責任者が役員以上

 これは企業幹部の誰かが、健康経営ないし健康管理を推進する部署を主管していることを意味している。

 産業医等の関与が確かで、企業幹部が明らかな責任を担っているのであれば、次の課題を3月の段階で話し合っているはずである。

新型コロナの流行の終息はいつ頃になるのか?

 もしも、私が先述した危機管理対策を行う会議体のメンバーでトップから同じことを聞かれたら、「国民の7割から8割が免疫を持った段階である」と答えたと思う。

 現在、中国以外に欧州とアメリカで万単位の患者発生の段階にあると報じられている。こうなると医療崩壊や社会不安状態を防ぐために、3月11日深夜の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議による説明であった「ロックダウン」、つまり事実上の封鎖を政府は行うことになる。

 一方、関係機関や自治体の対策と努力で流行が緩徐であれば、そうした事態は避けることができる。しかし、7割から8割が免疫を持つということは、現在の状態が年末から年明けまで長期間続くことを意味する。

 こうした見解を自社の産業医等から聞いているか、を考えれば、健康経営での専門家との連携の良否が明らかになる。また事態は流動的であるから、都度必要なタイミングで専門家との対話を行うことになるだろう。

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