BizGateリポート/経営

新型コロナ 健康経営ベースに長期戦の構えを 経営層のための新型コロナ対策(3) 健康企業代表・医師 亀田高志

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

 近年は職場の健康管理で健康経営(R)がブームとなり、東証1部上場企業における健康経営銘柄の選定や、大規模ないし中小規模の健康経営優良法人の認定を目指す応募が盛んに行われている。

 健康経営を推進している経済産業省によれば、従業員の健康管理を健康投資と読み替えた健康経営の最終的な目標は、業績と企業価値の向上と表現されている。これによって、企業経営者が動機づけられ、健康経営の専門部署が設置されるなど、職場の健康管理が注目されるようになった。

 健康経営優良法人の申請に関わったことがある企業幹部や管理職はご存じだろうが、その認定基準には、その規模にかかわらず感染症予防対策として「従業員の感染症予防に向けた取り組み」が含まれている。

 そのため、新型コロナ対策によって、これをどのように捉えてきたか、どのように実践してきたのか、が明らかになる。

季節性インフルエンザの予防接種はしたか?

 ちょうど、本稿執筆時点でクルーズ船の乗客等を除いた新型コロナの感染者が1000人を超えたと報じられている。毎日、テレビの報道番組で都道府県ごとに何人ずつ感染が増えているかも明らかにされている。

 企業幹部や管理職の方々は自社内や自職場から患者となる従業員が出ないか、心配されていることと思う。

 新型コロナで最もよく見られる症状は発熱とせきであると明らかにされている。例年3月には、発熱とせきを伴う通常の風邪も発生するし、季節性のインフルエンザの流行も続く。

 季節性のインフルエンザに対する予防接種を、徹底して従業員に対して行っていれば、発熱やせきを伴うケースをかなり減らすことができたのではないだろうか?季節性のインフルエンザの予防接種を7割から8割の従業員が受けておくと、職場内の流行を減らすことができる、と考えられている。

 この季節性インフルエンザへの予防接種は健康診断等を定めた労働安全衛生法令で実施が求められてはいない。しかし、経済産業省による健康経営優良法人の認定基準には、中小規模法人部門であっても、次の事柄が示されている。

従業員の感染症予防に向けて予防接種に要する時間の出勤認定、感染者の出勤停止等、感染症予防や感染拡大防止に向けた取り組みや制度を実施していること
・予防接種時間の出勤認定
・予防接種実施場所の提供
・風しんやインフルエンザ等の予防接種の費用負担(一部負担でも可)

 季節性インフルエンザに対する予防接種はご自身が学童の頃から受けた方が良いものと知っていたことだろう。季節性インフルエンザの予防接種には感染や発症を抑え込む効果はないが、重症化するリスクを小さくできる、という効果が知られている。

 けれども、筆者が知る限り、季節性インフルエンザの予防接種を毎年秋に徹底して提供している企業は極めて少ない。

 上述の基準には「感染者の出勤停止や特別休暇認定付与制度の整備」や「全ての事業場における感染症予防環境の整備アルコール消毒液の設置やマスクの配布など」が含まれている。これらは、新型コロナ対策で欠かせない人事労務管理上の対応であり、職場にウイルスを持ち込まないための対策である。

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。