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チャットで生産性向上 テレワーク先駆企業5つの策 石倉秀明・キャスター最高執行責任者に聞く

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「パパママチャンネル」が生産性を向上させる

 注意したいのは、業務場所の指定だ。テレワーク勤務を経験して、自宅にダイニングテーブルとソファしか置いていないため、端末操作で肩がこったといった声もある。若い世代はスマホで必要な用事が足りるため、Wi-Fi環境自体を設けていないことも多い。石倉氏自身、自宅以外で業務することが少なくない。

 キャスターでは自宅以外で勤務する場合は、事前申請のシステムを取り入れている。喫茶店などで個人情報の取り扱いや会議は禁止。公共のWi-Fiも使用を許していない。「一般的には社員が自宅からサーバーにアクセスできるようVPN(仮想私設網)を検討したい」という。

 生産性を上げるために一番重要なのは、コミュニケーション量の確保だと石倉氏は強調する。「会社組織には業務の報告・連絡、プライベートな会話、ちょっとした相談をする雑談の3種類のコミュニケーションがある。雑談できる環境が相談しやすい空気感をつくり出す」と指摘する。テレワーク勤務の弱点は職場の空気が読めないため、チームの緊急事態やピンチが見えない点だ。同僚がSOSを発信しやすくするのに有効なのが、業務ツールとは違う雑談チャットだという。

 パパママチャンネル、独り言チャンネル、共通の趣味チャンネル……。石倉氏は「関連会社の『bosyu』は10人程度のチームだが、数十の雑談チャットを設けている」と指摘する。ツイッターやフェイスブックで人材を募集するサービスを分社化したのがbosyuだ。上司が率先して利用することが、チーム内における情報の透明性向上につながり、ひいては企業文化にもプラスの効果をもたらすという。

 「個人情報以外は、誰でもアクセスできるようにシステム作りを進めている」と石倉氏。企業全体として失敗・ミスの兆候を早期に突き止め不祥事の隠蔽などを許さないのが狙いだ。上司と部下などの2人だけのチャット利用は原則せず、オープンなチャットグループを推奨しているという。

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