日経SDGsフォーラム

きれいな水が地球を救う 万物の根源 SDGsに通ず

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 哲学の創始者といわれるタレスの有名な言葉、「万物の根源は水である」。動植物にとって欠かすことのできない存在に違いなく、地球に様々な命が輝いているのも水があるからだ。それは地球そのものの生殺与奪の権を握っているともいえる。きれいな水を大切に、そして増やしていくことが世界の繁栄につながるはずだ。水を考え、水から学ぶことから未来を描く。

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やってみなはれ 小学生も「水育」

 「私たちがすぐに使える水は(地球上に)どのくらいあると思う?」。先月中旬、横浜市立菊名小学校で開かれた水育(みずいく)教室。蛇口を回せば水は勢いよく出るだけに34人の5年生の大半が「たくさん」と答えるが、実際は(地球上の水の)0.01%しかないと講師が話すと皆、驚く。サントリーホールディングスによる出張授業のひとこまだ。授業の目的は水を大切にする工夫を考えてもらうこと。「自分に何ができるか」だ。授業では水を育む山や森林の大切さもわかりやすく説明する。雨で山に染み込んだ水は長い時間を経てろ過され、ミネラルを含んだおいしい水ができあがる。それはサントリーとしてSDGsの考えを取り込んだ「自分に何ができるか」の1つの答えでもある。

 天然水の森。サントリーが全国21カ所の森林(1万2000ヘクタール)で展開している水源涵養(かんよう)活動。同社は2013年にグループ国内工場でくみ上げる地下水量の2倍の水を涵養する目標を掲げ、達成年と定めた20年よりも1年早く実現した。企業活動の源泉である水。この活動は同社が事業成長すればするほど緑が増え、整備された森林から水の恵みが生まれることになる。生物多様性の保全にもつながる。

 日本だけでなく米国、欧州、アジアなどグローバルに事業活動するサントリー。日常的にSDGsを軸に地球社会を考える海外の生活者、投資家、取引先などとの対話はさらなる持続可能な取り組みへとつながる。その言葉は「やってみなはれ」というサントリーのチャレンジ精神の心に火をつけるはずだ。もはやビジネスと地球が抱える諸問題はトレードオフの関係ではあり得ない。共創、共走、協奏が響き合うトレードオンの関係として社会変革を起こしていかなくてはならない。新しい時代の「やってみなはれ」は社会の期待や要請を先回りして「やる」こと、そして地球に果実をもたらすまで「やりきる」「やりぬく」ことだ。

 「水と生きる」。サントリーグループの企業理念はSDGsを包含する。水は身近な存在だけに理解しやすく、私たちにも地球のために「何ができるか」を問い掛けている。

(編集委員 田中陽)

「利益三分主義」新ビジネスのチャンスに――

 サントリーには創業者、鳥井信治郎が唱えた「利益三分主義」という企業理念があります。事業で得た利益は「事業への再投資」や「取引先へのサービス」として活用するだけでなく、「社会への貢献」にも役立てたいという考えです。今から約120年も前にSDGsにつながる「企業が社会の一員である」ことを示してくれていました。2014年に買収した蒸留酒メーカーの米ビーム社(現ビームサントリー)の従業員もこの言葉の意味を深く理解しています。

 ここ数年で企業と社会の関係のステージ、定義が変わりました。地球にとって無くてはならない存在として認めてもらわないと商品すら手に取ってもらえなくなっています。特に若い世代に顕著です。どんな会社なのか、どのように商品を作っているのか。それが持続的なのか。おいしいだけでなく、信頼できる会社なのか、が問われているのです。「社会にGOOD」でないと。

 SDGsの実現には技術が必要です。私たちだけでは解決に時間がかかるものをオープンイノベーションによって新たな投資を呼び込み、加速させます。例えば30年までにグローバルで使用するすべてのペットボトルの素材をリサイクル素材と植物由来素材に100%切り替え、化石由来原料の新規使用ゼロの実現を目指します。すでに国内外のベンチャー、スタートアップと組んで原料をウッドチップ(非食用の植物由来原料)から生成する実装の段階に入りました。そして50年にはCO2排出量を実質的にゼロにする「カーボンニュートラル」にします。これは地球社会への約束です。

 SDGsは新しいビジネスを生むチャレンジングなチャンスなのです。

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