長島聡の「和ノベーションで行こう!」

日本を再発見する世界一のブランドへ「魅力はもともとある」 第34回 ディスカバー・ジャパン 高橋俊宏 社長・統括編集長に聞く

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長島 それだけ、こだわって作る、しんどい努力をするからこそ、表彰台に乗るような体験をすることができるのですね。

高橋 本当に世界大会の表彰台に乗るようなメディアになろうとしています。1位と、それ以外の2位、3位では見える世界が全然違います。もちろん、結果として2位、3位になることはありますが、1位を目指すところに妥協はしません。

 創刊号の特集で取り上げた京都の俵屋旅館さんは、30年ぐらい雑誌などのメディアの取材を受けていませんでした。ただ、どうしても載せないと名旅館の特集にならないと思い、口説きに口説いて取材の承諾をもらいました。俵屋旅館の記事が載った『Discover Japan』の創刊号が出ると業界が騒然としました。

長島 絶対にメディアに出ない旅館なのに、なぜ出たのかというわけですね。それができるところ、そこに目を付けるところがすごいと思います。高橋さんの熱量というか、へこたれない度はそれだけ半端ないのでしょう。

高橋 打たれ強いのは自信があります(笑)。

『Discover Japan』を世界的なブランドにしていく

長島 それで『Discover Japan』に話を戻しますが、最近、雑誌以外の取り組みが増えています。電通と協業する発想コンサルティングサービス「Discover Japan Concept」、日本経済新聞社と協業するセミナー「日経Discover Japanアカデミー」、渋谷PARCO内の直営店「Discover Japan Lab.(ディスカバー・ジャパン ラボ)」などです。いずれも、日本を再発見するメディアとして圧倒的になるための事業だと思いますが、それぞれの狙いをお聞かせいただけますか。

高橋 まず、これら事業の前提となるのは、中長期的に『Discover Japan』を世界的なブランドにしたいと考えていることです。我々日本人が日本のことを扱うわけですから、必ず世界一になる必要があります。

長島 逆に、ほかの国のメディアが日本に関するメディアとして世界一になったらおかしいですよね。

高橋 その一環として、雑誌の購読者を増やしながら、企業との協業に取り組んでいます。Discover Japan Lab.は『Discover Japan』ブランド初のリアル店舗ですが、広い意味でのメディアだと捉えています。

 まず、雑誌で取り上げたものをリアルに見て触れて買えるメディアという位置づけがあります。また、渋谷PARCOの1階、グッチ、ロエベといった有名ブランド店の前にあります。そうした立地に店舗を構えることで、「伝統工芸」「地場産業」「職人技」が、世界のラグジュアリーブランドに負けない、あるいは、それ以上の価値があることを発信する使命を担っています。さらに、立地の店舗をテストマーケティングの場として活用していただけます。来日外国人も多く立ち寄る場所ですので、海外の人の反応を検証することもできます。

長島 日本というブランドの価値を高める場であり、テストマーケティングの場でもあるのですね。

高橋 日本経済新聞社と協業した「日経Discover Japanアカデミー」は、「道(みち)」を伝授する場の一つだと考えています。日経と組むことで、体系的なセミナーにすることができると考えました。

長島 高橋さんのいう「道(みち)」とは「道(どう)」を指すのですね。

高橋 まさに「何々道(どう)」の「道(みち)」です。人が守るべきものが「道」ですが、道をなすための極意を、日本では古くからわかりやすい言葉で表現しています。たとえば、「つくり手八分、使い手二分」という言葉が唐津焼にはあるのですが、これは欧米で言う「オープンイノベーション」にほかなりません。

 唐津焼ではもう360年前からこの「つくり手八分、使い手二分」を実践しています。しかもユーザー参加型の究極のオープンイノベーションです。このことに日本人はちゃんと気付き、世界へ伝えるべきです。そうした日本古来のコンセプトを武器にすることで日本は世界と戦うことができるようになります。

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